写真1●ソニー ハワード・ストリンガー 会長兼社長 CEO
写真1●ソニー ハワード・ストリンガー 会長兼社長 CEO
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写真2●エリクソン ハンス・ヴェストベリ 社長兼CEO
写真2●エリクソン ハンス・ヴェストベリ 社長兼CEO
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写真3●英ロンドンでの記者会見の模様
写真3●英ロンドンでの記者会見の模様
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 ソニーは2011年10月27日、スウェーデンの通信機器メーカーのエリクソンと折半出資する携帯電話端末会社の株式を買い取り、100%子会社化する動きについて(関連記事)、同社のハワード・ストリンガー 会長兼社長 CEO(写真1)と、エリクソンのハンス・ヴェストベリ 社長兼CEO(写真2)が英ロンドンで記者会見を開いた(写真3)。

 ストリンガー会長は子会社化の狙いを「4つのスクリーン戦略のため」と強調した。4つのスクリーンとは、パソコンとテレビと携帯電話とスマートフォンのこと。ソニーはこの4つのスクリーンに動画や音楽配信を豊富に提供することで「ソニーの娯楽の新しい世界を作る」と宣言した。

 またストリンガー会長は「人々はスマートフォンに恋している。この市場が急速に伸びている」と指摘し、「この分野でソニーのイメージを高めなくてはならない」と語った。豊富なコンテンツや製品群を武器にネットワーク機能を訴えて、スマートフォンの普及を狙う。

 さらにストリンガー会長は「ソニーはアナログからデジタルカンパニーへの移行を進めておりこれが強さになる。映画からプレイステーションまで抱えるインフラ作りをしてきた。リーマンショックや日本の大地震がなければもっとスピードが早く進められたが」と語った。

 一方で、エリクソンのヴェストベリ社長は「タブレット端末の登場で根本的な産業変革が起きている」と合弁解消の背景を説明し、「ソニーとはクロスライセンスなどを通して今後もいい関係を続けていく」と語った。

 会見ではソニーの今後の運営手法やアップル製品への対抗策などについて質問が相次いだ。成否のカギとなりそうなのは、ソニーの「タスクフォースチーム」だ。平井一夫副社長を筆頭に「新しいブランド名や運営などを検討している」(ストリンガー会長)とし、テレビと携帯端末を共同で販促したり、ブランド展開したりする手法も検討し、スマートフォンの販売を一気に軌道に乗せるという。アップルへの対抗については「米国での契約を伸ばしていく。(OSを提供する)グーグルも前向きに支えてくれている。目標はシェア1位」(ストリンガー会長)と語った。