博報堂DYメディアパートナーズ「ミライテレビファクトリー」は2011年10月27日、次世代テレビサービスに関するユーザー調査の結果を発表した。対象者を情報感度意識の高い「情報先進層」と、一日当たりのテレビ視聴時間が3時間以上の「テレビ生活エンジョイ層」という二つのグループに分けて比較した。その結果、次世代のテレビサービスに対して以下の傾向が明らかになったという。

(1)ユーザーが求める機能は大容量録画とレコメンド
 次世代型テレビサービスの機能の中から、七つの機能(大容量録画、ソーシャル視聴、レコメンド、マルチ端末視聴、コンテンツ購入/レンタル、ショッピング、アプリ)に対して評価したところ、大容量録画機能が最も高い評価を集めた(情報先進層で55.2%、テレビ生活エンジョイ層で53.7%)。また、情報先進層では、マルチ端末視聴でテレビ視聴が増えることも把握できたという。

(2)放送系コンテンツは、別端末でも広告付きで無料で楽しみたいが8割
 「普段よく見るテレビ局の全放送番組1週間分が配信され、パソコンやスマートフォン、タブレットPCの画面で視聴できるサービスができた場合、そのサービスを無料もしくは割り引きで利用するためにCMを視聴するか?」との質問に対して、「CMを見ることで番組無料視聴をしたい」とする人が8割以上(テレビ生活エンジョイ層においては約9割)だった。

(3)見放題VODの利用料金は月額1500円までが目安
 月額見放題のVODプランを購入・利用する場合の利用料金については、月額1500円までが約7割を占めた。またその値段で見たい番組として、情報先進層/テレビ生活エンジョイ層ともに「外国映画」「国内映画」「外国ドラマ」「国内ドラマ」の人気が高かった。

 このほか、情報先進層と生活エンジョイ層でインターネットテレビに関する意識が大きく異なることも分かった。情報先進層では、インターネットテレビの理解率が61.6%、利用経験率が29.1%、テレビ受像機のネット結線率が41.4%だった。一方でテレビ生活エンジョイ層では、理解率が33.8%、利用経験率が11.1%、ネット結線率が18.3%だった。

 またインターネットテレビをネットに接続していない理由として、情報先進層は「楽しめる機能やコンテンツが少ないから」(30.4%)、「周囲で話題になっていないから」(26.4%)という回答が多く、テレビ生活エンジョイ層は「接続した場合、料金が別途かかりそうだから」(25.9%)、「接続方法が分からない」(19.1%)という回答が多かった。

 今回の調査は首都圏/関西圏/名古屋圏/福岡圏/札幌/仙台/広島の7大都市圏居住者で、10~60代の男女を対象に、2011年8月11日~8月17日にかけてインターネットを使って実施した。対象者数は情報先進層が1019人、テレビ生活エンジョイ層が1025人だった。

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