米Amazon.comが米国時間2011年10月25日に発表した同年第3四半期(7~9月期)の決算は、売上高が108億7600万ドルで前年同期の75億6000万ドルと比べ44%増加した。一方純利益は6300万ドルで前年同期の2億3100万ドルから73%減と大幅減、3四半期連続の減益となった。希薄化後1株当たり利益は0.14ドルで市場予想を下回った。

 営業利益は7900万ドルで前年同期の2億6800万ドルから71%減。営業利益率は0.7%で、前期の2.0%、前年同期の3.5%から低下した。売上原価、物流設備、マーケティング、テクノロジー関連やコンテンツといった営業経費のすべての項目が増加しており、営業経費は前年同期比48%増の107億9700万ドルとなった。

 同社最高経営責任者(CEO)のJeff Bezos氏は、9月28日に発売した電子書籍リーダー端末「Kindle」の最新モデルについて、「注文数が発売当日だけで昨年のクリスマス商戦のピーク時を超えた。注文数はすでに従来製品の立ち上げ時の2倍になっている」とコメントした。また、タブレット端末「Kindle Fire」については「事前予約が好調で、生産量を計画よりも数百万台規模で増やしている」としている(関連記事:Amazon.comの新タブレット端末「Kindle Fire」、ストリーミング再生対応で199ドル)。

 ただし同社は、2011年第4四半期(10~12月期)の業績見通しについて、営業損益が2億ドルの赤字から2億5000万ドルの黒字の範囲になるとしており、営業赤字の可能性があることを示唆している。売上高は164億5000万~186億5000万ドルの範囲で、前年同期比27%増~44%増と見ている。

 第3四半期の事業別の売上高は、本やCD、DVDなどを扱うメディア部門が41億5300万ドルで前年同期比24%増。家電・日用品部門は63億1600万ドルで同59%増えた。地域別の売上高は、北米(米国とカナダ)が同44%増の59億3200万ドル、海外部門(英国、ドイツ、日本、フランス、中国、イタリア、スペイン)が同44%増の49億4400万ドルとなった。

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