写真●米オラクル データベース製品開発総責任者アンディ・メンデルソン氏
写真●米オラクル データベース製品開発総責任者アンディ・メンデルソン氏
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 「オラクルのビッグデータソリューションは、ベンダー独自(プロプライエタリ)技術を使用していない」--米オラクルのデータベース製品開発総責任者であるアンディ・メンデルソン氏(写真)は2011年10月25日、東京都内で開催したビッグデータ戦略に関する記者説明会でこのように説明した。同社は10月、オープンソースソフトウエア(OSS)を組み合わせたビッグデータ処理用のアプライアンス製品「Oracle Big Data Appliance」(関連記事)などを発表している。

 Oracle Big Data Applianceは、OSSのキー・バリュー型データストア「Berkley DB」をベースにした「Oracle NoSQL Database」、OSSの分散バッチ処理ソフト「Hadoop」、OSSの統計解析ソフトである「R」をインストールしたアプライアンス製品である。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上のテキストなど、大量の非構造化データを蓄積し、統計解析によってパターン(傾向)を見つけ出すといった用途に向いている。

 メンデルソン氏は、「例えばOracle Big Data Applianceでは、Apacheソフトウエア財団によるHadoopのディストリビューションを使用しており、商用ディストリビューションは使っていない。またオラクルが独自に開発した、『Oracle Database』からHadoopにデータをロードする機能などは、コミュニティに還元する考えだ」と語り、技術的な囲い込みは行わないと説明した。

 Oracle Big Data Applianceは、「2012年の早い時期」(メンデルソン氏)に出荷を開始する予定。その後、Rによる統計解析がOracle DB内で実行できる「Oracle R Enterprise」というソフトを、Oracle DBのオプションとして提供する。また同日からは、Oracle NoSQL Databaseのダウンロード提供も開始している。

 日本オラクルでビッグデータ関連製品を担当する山本恭典執行役員は、「オラクルがHadoopに取り組み出したのは、通信事業者や金融業といった顧客から『オラクルがHadoopをやってくれ』という要望を受けたから」と語り、日本でもユーザー企業によるOracle Big Data Applianceの検討が始まっていることを明らかにした。