米Oracleは米国時間2011年10月24日、顧客管理サービスの米RightNow Technologiesを買収することで両社が最終合意に達したと発表した。買収金額は1株当たり43.00ドルで、総額約15億ドルとなる。

 RightNowは1997年に設立され、モンタナ州に本社を置いている。クラウドコンピューティング環境を利用した顧客管理サービスを手がけており、企業はコールセンター、Web、ソーシャルネットワークにわたる効率的な顧客対応を実現できる。

 Oracleは、パブリッククラウドサービス「Oracle Public Cloud」の一環として、営業支援(SFA)、人事、ソーシャルネットワーク、データベース、Java向けの製品をすべてクラウドベースで提供することを目指している。「RightNowのクラウド型顧客サービスはOracle Public Cloudにとって重要な追加になる」とOracle開発部門担当バイスプレジデントのThomas Kurian氏は述べている。

 RightNowの取締役会はすでに同買収案を満場一致で承認しており、買収成立にはRightNow株主や当局の承認などが必要となる。Oracleは年内あるいは2012年前半に手続きが完了すると見込んでいる。

 米メディアの報道(New York Times)によると、RightNow買収が実現すれば、Oracleにとって米Sun Microsystemsに次ぐ大型買収となる。43.00ドルという金額は、10月21日のRightNowの株価を20%上回る。買収計画の発表を受け、RightNowの株価は19%上昇し、Oracleの株価も2%増で取引を終了した。

 またOracleは同日、オープンソースのデータベースエンジン「Berkeley DB」をベースにした分散キーバリュー型データベース「Oracle NoSQL Database」の一般向け提供を開始した。「Enterprise」エディションを開発者向けサイト「Oracle Technology Network」からダウンロードできる。

[発表資料(RightNow買収計画)]
[発表資料(NoSQL Databaseリリース)]