総務省近畿総合通信局は2011年10月24日、SHF帯を活用した地上デジタル放送配信システムの調査研究会を設置すると発表した。現在、地上デジタル放送への移行で発生した新たな難視の対策として、衛星放送受信による暫定対策を実施している地域がある。調査研究会は、SHF帯を活用した放送配信システムの利用による恒久対策の実用化に向けて技術的条件の課題抽出などを行う。

 新たな難視が発生した地域などをカバーする対策手法として、比較的設置が容易な地上デジタル放送配信システムの活用が有効と考えられるが、デジタル放送で使用するUHF帯では、電波の特性上ネットワーク構成が困難とされる場合があるという。

 近畿総合通信局では、SHF帯(3Gから30GHz)を活用した地上デジタル放送配信システムが有効な受信対策手法として見込まれることから、調査研究会を設置し、数回の電波伝搬実験を通じて技術的課題を検証し、実用化に向けた提言を目指す。

 主な検討事項は、(1)実証実験による複数の異なる地点に設置した受信設備の受信状況、(2)実証実験による連続送信での伝送信号品質の時間変化及び降雨減衰特性の確認、(3)実証実験の結果による技術的課題の検証及び実用化に向けての提言、の3項目である。

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