米Googleは2011年10月19日、Androidアプリケーションの開発環境「Android SDK」を、同日発表したAndroid OSの最新版「Android 4.0」(開発コード名はIce Cream Sandwich)に対応させた(関連記事)。従来通りSDK Managerからアップデートすることで、Android 4.0用API(APIレベルは「14」)を利用できるようになる。

 Android 4.0は、スマートフォン向けOSであるAndroid 2.x系とタブレット端末向けOSのAndroid 3.x系を統合したバージョン。アプリ開発者にとっての主な改良点は、ユーザーインタフェース(UI)を開発するためのフレームワークが共通化されたこと。これを利用することでスマートフォンとタブレットの双方に対応したアプリを作りやすくなるため、開発効率の向上が見込めるという。アプリの画面を分割制御する仕組み「フラグメント」や、画面上部に表示されるアプリ管理用の「アクションバー」など、Android 3.x系から採用された機能も引き継いでいる。

 また、ユーザー同士のコミュニケーションやデータ共有のためのアプリも開発しやすくなった。例えば、OSが持つ連絡先やプロフィールなどの情報をソーシャルサービスと連携させるためのAPIや、アプリにカレンダー機能を追加するAPI、などが加わっている。Android端末同士が近距離無線通信規格「NFC(Near Field Communication)」を使ってデータを共有するための新機能「Android Beam」もアプリに組み込める。

 企業向けの機能としては、VPNのクライアント機能を利用するためのAPIを提供。L2TPやIPsecをサポートする。加えて、システム管理者が遠隔から端末のカメラ機能をロックできるようになった。

 このほかマルチメディア再生機能やカメラによる撮影機能の強化、無線LANによるPCとの直接接続機能の追加、スタイラスによる入力方法への対応など、非常に多くの改良が施されている。