あずさ監査法人は2011年10月17日、上場会社を対象にIFRS(国際会計基準)の対応状況を調べた「国際財務報告基準(IFRS)対応状況調査 2011」の結果を公表した。同調査は金融担当大臣による「適用見直し」発言後の8月10日~8月31日まで、国内上場企業約3600社を対象に実施。回答数は1074社(回答率30%)だった。

 IFRS適用に向けた準備状況を尋ねたところ、「準備中」が79%。任意(早期)適用を目指しているのは7%だった。検討段階としては「経理・財務部を中心に知識や情報を収集中」という初期段階が42%で最も多かった。

 「適用見直し」発言後、IFRS対応プロジェクトを中断する企業もあれば、変わらず継続する企業もある。今回の調査では、全体の77%が「IFRS導入準備を続ける」と回答した。内訳は19%が「従来通り継続する」、58%が「スケジュールを見直すが継続する」である。「IFRS導入作業を中止する」は9%にとどまった。

 IFRS導入による情報システムへの影響を尋ねたところ、「影響はない」と回答したのは2%で、大多数が「影響はある」と回答。ただ、システム対応を予算化しているかどうかについては、「予算化している」が51%、「対応予算なし」が47%とほぼ半々だった。

 IFRSと日本基準との差異への対応では、収益認識では「出荷日をもとにした、みなし検収日または着荷日基準を使用」が最も多く34%だった。「検収日基準または着荷日基準を使用」は22%で、その約半数がシステム改修による対応を予定しているという。

 グループ内の決算期の統一については、「すでに全社または主要子会社で統一しており、対応は不要」とする回答が48%とほぼ半数だった。IFRS導入時の重要課題は「効率的なIFRSの導入方法」が59%(各社三つまで選択可能)と、最も多かった。同調査の要約版は、あずさ監査法人のWebサイトから入手できる。