カナダResearch In Motion(RIM)は現地時間2011年10月17日、同社のモバイル端末「BlackBerry」向けサービスで先週発生した広範な通信障害の代償として、約100ドル相当のアプリケーションを無償提供すると発表した。またビジネスユーザーにはテクニカルサポートを1カ月間無料にする。

 対象アプリケーションには米Electronic Artsの「SIMS 3」「Bejeweled」、フランスGameloftの「N.O.V.A.」「Texas Hold'em Poker 2」、米iSpeech.orgの「DriveSafe.ly Pro」「iSpeech Translator Pro」、米Vlingoの「Vlingo Plus: Virtual Assistant」などが含まれる。10月19日からBlackBerry用アプリケーションの販売/配布サイト「BlackBerry App World」で順次公開し、2011年12月31日まで無償ダウンロード提供する。同社の共同最高経営責任者(CEO)であるMike Lazaridis氏は、「サービス障害のあいだユーザーが辛抱してくれたことに感謝している」と述べた。

 サービス障害は、BlackBerry向け電子メールサービス、メッセージングサービス、Webブラウジングで発生した。10月10日にEMEIA(欧州、中東、インド、アフリカ)で通信速度の低下が確認され、10月12日午前にはカナダ、中南米、米国にも広がった。完全復旧のめどが立たないまま10月13日午前6時20分にLazaridis氏の謝罪ビデオを公開したが、その後、全地域で通信が回復し、10月13日午前10時にサービス復旧の記者会見を開いた(関連記事:RIM、BlackBerryサービスがようやく復旧)。

 RIMによると、障害は同社インフラ内のスイッチの不具合が原因だが、フェイルオーバー機能が正常に作動しなかったため大量のバックログが蓄積され、通信性能の低下を招いたという。これによりEMEIAでは約3日間、中南米とカナダでは約1日半、米国では約1日間サービスが正常に使用できない状態に陥った。

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