写真1●大和ハウス工業執行役員情報システム部長の加藤恭滋氏。撮影:新関雅士
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写真2●インターネットイニシアティブ執行役員マーケティング本部長の松本光吉氏。撮影:新関雅士
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写真3●シトリックス・システムズ・ジャパン マーケティング&ビジネスディベロップメント本部長の伊藤利昭氏。撮影:新関雅士
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写真4●日本ヒューレット・パッカード パーソナルシステムズ事業統括クライアントソリューション本部長の九嶋俊一氏。撮影:新関雅士
写真4●日本ヒューレット・パッカード パーソナルシステムズ事業統括クライアントソリューション本部長の九嶋俊一氏。撮影:新関雅士
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写真5●モデレータを務めた日経BP社 コンピュータ・ネットワーク局の桔梗原富夫局長
写真5●モデレータを務めた日経BP社 コンピュータ・ネットワーク局の桔梗原富夫局長
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 「各社における私物解禁の実態は?」「どんな課題があるのか」---。東京ビッグサイトで開催された「ITpro EXPO 2011」において2011年10月14日、「BYO(私物解禁)は止められない 今、IT部門はどうコントロールすべきか?」と題したパネル討論会が実施された。

 参加したのは大和ハウス工業、インターネットイニシアティブ(IIJ)、シトリックス・システムズ・ジャパン(シトリックス)、日本ヒューレット・パッカード(HP)といったユーザーとベンダーの計4社。スマートフォン(スマホ)やタブレット端末が急速に普及するなか、私物のIT機器を業務でも使わせる企業が増えている。討論会の開場はほぼ満席となり、「私物解禁」に対する興味の高さをうかがわせた。議論の中で明らかになったのは、私物解禁の状況は各社で大きな差があり、セキュリティー対策や勤務制度なども含めたルール作りに課題があることが浮かびあがった。

 モデレータを務めた日経BP社コンピュータ・ネットワーク局の桔梗原富夫局長は、私物の携帯電話やPCを業務で利用している割合が、ITproの会員調査では約半数に上ったことを冒頭で紹介。これを踏まえて、「みなさんの会社では、携帯やPCの私物解禁の状況はどうなっているのか」と切り出した。

 大和ハウス工業執行役員情報システム部長の加藤恭滋氏は「2011年度中に営業担当者全員にiPad2を配布するなど、積極的にタブレット端末の導入を進めており、スマホを使っている社員も増えている。しかし、私物のIT機器を業務に使う環境にはまだなっていない」と打ち明けた(写真1)。IIJ執行役員マーケティング本部長の松本光吉氏は「セキュリティーのガイドライン上は、私物のIT機器の業務利用は禁止されている。しかし実態は、そうでもない。今後はルールを現実に即したものに変えていこうという流れになっている」と話した(写真2)。

 一方で外資系2社は積極的に私物解禁を進めている状況を披露した。シトリックス・システムズ・ジャパン マーケティング&ビジネスディベロップメント本部長の伊藤利昭氏は「社内外で仕事に使える端末を自由に選べて、会社が購入費を一部補助する制度がある。仮想化技術を使い、アプリケーションやデータはすべてサーバー側で管理するテクノロジーがこうした自由な環境を実現している」とした(写真3)。

 日本HP パーソナルシステムズ事業統括クライアントソリューション本部長の九嶋俊一氏は、「PC事業部の半分くらいの社員は自分のスマホを業務に使っている。私物の業務利用を認めるかというより、スマホをどう管理できるかに議論の力点を置いて対策を施している」と話した(写真4)。具体的には、業務利用する際の私物のスマホには暗証番号の設定や遠隔でのデータ消去の機能を付けることを義務付けているという。