カスペルスキーは2011年10月13日、法人向けのセキュリティソフト3製品を10月末から順次発売すると発表した。この3製品は、WindowsワークスステーションおよびWindowsサーバー用の「Kaspersky Endpoint Security 8 for Windows」とAndroid用の「Kaspersky Endpoint Security 8 for Smartphone」、これらの管理ツールである「Kaspersky Security Center 9」である。

 Kaspersky Endpoint Security 8 for Windowsの主な新機能として、同社のクラウドベースのレピュテーション技術である「Kaspersky Security Network(KSN)4.0」に対応した。また「アプリケーションコントロール」と呼ぶ機能群を新たに搭載。アプリケーションの分類・監視、アプリケーションの起動制御、アプリケーションの権限の制御、およびアプリケーションの脆弱性チェックを可能にした。URLフィルタリングとレピュテーションサービスを使える「ウェブコントロール」機能も加えた。端末に接続するデバイスをコントロールする機能は強化。USBデバイスが持つ一意のIDをサポートし、「特定のUSBデバイスだけ使用を許可し、あとは禁止する」などの使い方ができるようにした。

 管理ツールのKaspersky Security Center 9は、従来の「アドミニストレーションキット」から名称を変更したもの。Web画面での操作に対応し、カスペルスキー製品をインストールしたVMwareの仮想マシンを自動判別し管理できるようにした。またKaspersky Security Center 9の管理サーバー配下に、最大10個までの仮想的な管理サーバーを設定する機能を搭載。それぞれの管理者を分けて運用することが可能になった。これは支社ごとに管理者を任命しているようなケースに向くという。このほか、プロキシとして前出のKSNにアクセスする機能などを加えている。

 Kaspersky Endpoint Security 8 for Smartphoneはウイルス対策、プライバシー保護、紛失・盗難対策、電話およびSMSのアンチスパムが可能。既に同様の機能を持つコンシューマ向け製品を販売しているが、そこにKaspersky Security Center 9の管理対象にできる機能を加えた格好だ。Kaspersky Endpoint Security 8 for Smartphoneの設定を強制的に変更したり、端末の使用者が設定を変えられないようにしたりできる。

 発売時期は、Kaspersky Endpoint Security 8 for WindowsとKaspersky Security Center 9は10月31日から。Kaspersky Endpoint Security 8 for Smartphoneは11月中旬~下旬を予定している。

 価格は同社が2012年1月から「標準希望小売価格」を設定する関係で、年内と年明け以降で異なる。Kaspersky Endpoint Security 8 for Windowsは、「Open Space Security」という企業向け製品の1コンポーネントとして扱う。価格は年内はオープン、2012年1月からは1ユーザー6480円(10ユーザーまでの場合、税別)からとなる。この価格はKaspersky Security Center 9を含む。1ユーザーは、Windows/Android/Mac/Linuxのいずれかを搭載する1台にインストール可能。

 Kaspersky Endpoint Security 8 for Smartphoneには単体の価格もあり、「1ユーザー4050円(10ユーザーまでの場合、税別)から」と設定されているが、2012年3月までは評価キャンペーンとして無料で使える。価格はKaspersky Security Center 9を含む。

 同日、2012年1月に新しいパートナープログラムを開始することも発表した。「Specified Distributor」と呼ぶパートナを新設。販売面では、カスペルスキーと2次代理店に相当するパートナの間に入る。サポート面では、カスペルスキーが新設する「Kaspersky Support Center」と並び、ユーザー企業および2次代理店に相当するパートナの最初のコンタクト先となる。Specified Distributorは、カスペルスキーの認定技術者資格を取得することが条件となる。

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