写真1●ソフトバンクモバイルの孫正義社長とiPhone 4Sの最初の購入者、アナウンサーの西尾由佳理さん
写真1●ソフトバンクモバイルの孫正義社長とiPhone 4Sの最初の購入者、アナウンサーの西尾由佳理さん
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写真2●取材に応え「我々はiPhoneのことを深く知り抜いている」と語る孫社長
写真2●取材に応え「我々はiPhoneのことを深く知り抜いている」と語る孫社長
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 2011年10月14日の午前8時、米アップルの「iPhone 4S」の国内販売がいよいよスタートした。ソフトバンクモバイルの旗艦店である表参道店には200人以上の購入予定者が押し寄せ、午前8時直前から同社の孫正義社長やアナウンサーの西尾由佳理さんによるカウントダウンイベントが開催された。iPhone 4Sの購入者第1号となったのは都内の32才男性で、ストレージ容量が64Gバイトでカラーが黒のモデルを孫社長から直接手渡された(写真1)。

 孫社長は、「iPhone 4Sという製品名には“フォー・スティーブ”という意味が込められているのではないか、と多くの人が言っている。まさに、スティーブの強烈なこだわりと情熱が込められた製品だと思う。我々にできることは限られているが、一人でも多くのユーザーに彼の思いを伝えたい」と述べ、今月5日(米国時間)に逝去したスティーブ・ジョブズ米アップル前CEOに触れた。「スティーブと最後に会ったのは今年6月のこと。かなり痩せてはいたが、(iPhone 4Sの)次のモデル、そして次の次のモデルについても、自身のアイデアを生き生きとした様子で語っていた。そんな彼の情熱は、きっとアップルの全社員に受け継がれているはずだ」(孫社長)。

 iPhone 4Sは形状こそ従来のiPhone 4と同様だが、処理の高速化やカメラ性能の向上など、中身が大きく進化している。それだけでなく業界2位のKDDIも同機種の国内販売に乗り出すなど、スマートフォン市場の勢力図に大きな影響を与える機種となりそうだ。カウントダウンイベント後の記者会見に臨んだ孫社長(写真2)は、iPhone販売のライバルが増えることについて「両社でiPhoneの潜在顧客を奪い合うというよりも、より多くの人にiPhoneの魅力を知ってもらうことで、ユーザーの裾野が広がるのではないか」と余裕を示した。

 その上で、KDDIとの商品性の違いについて問われると「外観は共通だが、中身の技術仕様が違う。iPhoneには、我々が採用しているW-CDMA方式の特性を生かしたサービスがいくつも組み込まれている。しかも当社は技術陣を含めてiPhoneを知り抜いているという自負がある。サービスとネットワークをさらに充実させ、ソフトバンク版iPhoneの魅力を最大限引き出していきたい」と自信を見せた。