米Appleが2011年10月14日に発売する新型スマートフォン「iPhone 4S」は、米国3キャリアの先行予約分が発売日前日に完売したと米メディア(Bloomberg)が報じている。

 米Verizon Wirelessと米Sprint Nextelのオンライン予約受付サイトでは10月13日時点で、iPhone 4Sの16Gバイトモデルについて、即時出荷できる在庫はないと案内している。米AT&Tのサイトでは、予約注文の受け付けを始めた7日時点で「1~2日」としていた出荷予定日を「3~4週間」に変更している。

 これに先立つ10月10日、AppleはiPhone 4Sの予約注文数が受け付け開始から24時間で100万台を超えたと発表していた(関連記事:「iPhone 4S」、初日の予約注文数が100万台を突破、過去最高に)。iPhoneの初日予約注文数はこれまで前モデルの「iPhone 4」が60万台という記録を持っていたがiPhone 4Sはそれを上回り、Appleの全製品でも最高となった。

 iPhone 4Sは米国以外では、日本、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、英国で14日に販売を開始し、10月末までには、シンガポールやイタリア、スペイン、オランダ、フィンランドなど22カ国に拡大する。

 Appleは米国で2010年にAT&TとiPhoneの独占販売契約を終了し、iPhone 4をVerizon Wirelessにも供給していたが、今回新たにSprint Nextelも加わり、3キャリアによる販売競争が始まった。Bloombergは「景気低迷が続くなか、iPhone人気は米国通信キャリアの業績向上に寄与しそうだ」と伝えている。

 また日本では、これまでのソフトバンクモバイルに加え、KDDI(au)も販売することになった。Apple製品の市場動向に詳しい米Piper Jaffrayのアナリスト、Gene Munster氏はこの点に注目しており、「キャリア間の競争が追い風になり、Appleは年末商戦のある第4四半期に2500万台以上のiPhoneを販売する」と予測している。

 米Wall Street Journal(WSJ)は、iPhoneの新モデルは当初、より画期的な改良があるものと期待されていたことからテクノロジー系ブロガーや投資家を失望させたが、10月5日にSteve Jobs前最高経営責任者(CEO)死去のニュースが流れると人々の関心が一気に高まったと伝えている。