米マイクロソフトは2011年10月12日(米国時間)、オープンソースソフトウエア(OSS)の分散バッチ処理ソフト「Hadoop」の中心的な開発企業の一つである米ホートンワークスと提携して、Windows ServerとWindows Azure向けのHadoopディストリビューションを提供すると発表した。2011年末までに、Windows Azure向けHadoopのCTP(コミュニティ向け技術評価版)をリリースする。

 Hadoopは、米グーグルの「MapReduce」や「Google File System」を参考にした分散バッチ処理ソフトで、米ヤフーが中心となって開発してきた。ホートンワークスは、ヤフーのHadoop開発チームが今年6月に独立した企業である。またHadoopは現在、Apacheソフトウエア財団のトッププロジェクトである。

 MSとホートンワークスは共同で、Windows向けHadoopディストリビューションを開発する。MSのビジネスインテリジェンス(BI)ツールで、クライアントソフトとして「Excel」が利用できる「PowerPivot」などとも連携できるようにする。Windows Azure向けのHadoopに関しては、2011年末までにCTPをリリースし、Windows Server向けHadoopのCTPは2012年に入ってからリリースするとしている。

 MSは同日、「SQL Server」とHadoopクラスターとの間でデータを送受信するためのコネクター「Hadoop Connectors for SQL Server and Parallel Data Warehouse」のダウンロード提供も開始した。

 MSは2012年上半期中に、データベース(DB)の新バージョン「SQL Server 2012」を出荷する予定。SQL Server 2012は、従来のリレーショナルデータベース(RDB)としての機能に加えて、データウエアハウス(DWH)用途に向いたカラム指向DBの機能も搭載する。業務データなどの構造化データはSQL Server、テキストデータなどの非構造化データはHadoopといった具合にデータ処理システムを使い分けできるようにし、それぞれのシステムの連携を密にする。