写真1●RAPICOM新機種の外観。デスクトップ型(上)とラックマウント型(下)。
写真1●RAPICOM新機種の外観。デスクトップ型(上)とラックマウント型(下)。
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 クレアリンクテクノロジーは、自社開発のWAN高速化装置「RAPICOM」シリーズの新機種を、ITpro EXPO 2011展示会に出展した。2011年10月3日に販売を開始した製品であり、今回が初展示となる。新版では、デスクトップ型モデルにおいて小型化を図るとともに、旧来のWindowsファイル共有プロトコルであるCIFS v1に対応した。

 RAPICOMは、国産のWAN高速化装置 兼 WAFS装置である。遅延が大きいWAN回線を介した通信において、TCP全般の高速化を図るとともに、Windowsファイル共有プロトコル(CIFS v1/v2)に特化したプロトコル最適化を施す。これにより、ファイル共有を含んだTCPアプリケーション全般を、WAN経由であることを利用者に意識させずに利用できるようになる。

 WAN高速化の手法として、コネクション集約など市場のWAN高速化製品が備える基本機能を一通り備える。一般的なWAN高速化製品と比べた機能面での特徴は、データキャッシュによる高速化をしない点と、複数のリンクを束ねて通信を並列化する機能を備える点である。

 1本の物理回線上で多重リンクを張ることができるほか、複数WAN回線を集約して仮想的に広帯域な回線として使うこともできる。複数回線の集約では、そのときに空いている回線を優先的に使って送信するなど、帯域使用量を平準化する。帯域が異なる複数の回線を、効率よく利用できるとしている。

 きょう体は、一般的な1Uラックマウント型(幅462×高さ44×奥行365mm)のほか、主に東南アジア地域などでの需要が高い、ファンレスで弁当箱サイズのデスクトップ型(幅200×高さ56×奥行120mm)を用意している。今回の新機種では、デスクトップ型モデルを大幅に小型化している。

 価格は、パートナーであるクボタシステム開発の場合で、デスクトップ型のエントリモデル「RC-150EA」(スループットは約150Mビット/秒)が78万円程度から。最小構成時(1対1の対向構成)の価格は、デスクトップ型の上位モデル「RC-350EA」(スループットは約1.2Gビット/秒)とRC-150EAの合計2台で、300万円程度から。