写真1●ソリトンシステムズのスマートデバイス管理ソリューション「DME」(ダイナミック・モバイル・エクスチェンジ)。専用クライアント(DMEクライアント)を立ち上げたところ。画面内にあるアプリやデータは暗号化され、他の環境から完全に分離されている
写真1●ソリトンシステムズのスマートデバイス管理ソリューション「DME」(ダイナミック・モバイル・エクスチェンジ)。専用クライアント(DMEクライアント)を立ち上げたところ。画面内にあるアプリやデータは暗号化され、他の環境から完全に分離されている
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写真2●リモートロックやデバイス利用制限といったMDM(モバイルデバイスマネージメント)の機能も搭載
写真2●リモートロックやデバイス利用制限といったMDM(モバイルデバイスマネージメント)の機能も搭載
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 2011年10月12日から14日まで、ICT関連の総合展示会「ITpro EXPO 2011/スマートフォン&タブレット2011秋」が東京ビッグサイトで開催されている。会場内の一角にあるソリトンシステムズのブースでは、企業の私物解禁(BYOD、Bring Your Own Device)に対応したスマートデバイス向けのユニークなソリューション「DME」(ダイナミック・モバイル・エクスチェンジ)を展示中だ(写真1)。

 DMEは、スマートフォンやタブレットにインストールしたクライアントアプリ(DMEクライアント)によって端末内に一種の「箱庭」(セキュアパーティション)を作り、この箱庭の中でのみ専用のアプリ(Javaベース)を実行したり、メールをはじめとする企業内のデータを閲覧したりできるようにしたりする仕組みを提供する(DominoおよびExchange対応のメーラーを標準で用意)。

 箱庭の内部に格納されたデータはAES(Advanced Encryption Standard、米国標準の共通鍵暗号)で暗号化されているため、「仮に端末を落としたり盗まれたりして第三者の手に渡っても解読は事実上不可能」(ソリトンシステムズ)。箱庭内のアプリと企業ネットワークとの間の通信なども、同様に暗号化が施されるという。

 企業の私物解禁向けソリューションとしては、モバイル端末向けに端末のリモートロックやリモートワイプ、アプリ制御や内蔵デバイスの利用制限といった機能を提供するMDM(モバイルデバイスマネジメント)ソリューションが大きな注目を集めている。DMEも上記箱庭化の機能に加え、MDM機能を搭載している(写真2、MDM機能だけを提供する「MDM-OnDemand」サービスも用意している)。

 しかし、同社では「少なくとも現状のMDMだけでは企業データを完全に守ることは難しい。アプリとデータを端末内で完全に分離して保護できるDMEのような仕組みの導入こそが私物解禁への真の有効策となる」(ソリトンシステムズ)と説明し、同ソリューションの販売に自信を見せていた。

 DMEはiPhone/iPadとAndroidに対応し、今後Windows Phoneへも対応予定だという。企業ユーザーがDMEクライアントからの接続を待ち受ける「DMEサーバー」やDomino/Exchangeとの接続を橋渡しする「DMEコネクタ」などを企業ネットワーク内に自前で設置する「オンプレミス」型と、DMEサーバーなどをクラウドとして提供する「クラウドサービス」型の2種類の販売形態を用意している。

 価格は、クラウドサービスが1デバイス当たり月額1200円(100デバイス時)、オンプレミス販売が305万円(100デバイス時)などとなっている。