講演をするInfobloxの高鳥正彦SEマネージャー
講演をするInfobloxの高鳥正彦SEマネージャー
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 2011年10月12日、ITpro EXPO 2011の特設ステージ「IPアドレス枯渇対策ワークショップ」では、DNS/DHCPサーバーアプライアンスのベンダーであるInfobloxの高鳥正彦SEマネージャーが、「IPv6への移行 運用におけるInfobloxの活用と事例」と題して講演を行った。

 高鳥氏はまず、IPv4とIPv6の違いについて言及。IPv6アドレスの数が桁違いに多いことを強調した。「IPv6のアドレス空間が地球規模とするとIPv4アドレスはiPodくらい」とのたとえ話で説明した。

 続いてIPv6アドレスを端末に付ける四つの方式を紹介した。(1)管理者が手動で機器にIPv6アドレスを設定する、(2)端末自身が自動でIPv6アドレス(リンクローカル)を生成する、(3)近くのルーターからIPv6アドレス情報を取得する(ステートレス)、(4)DHCPv6を利用してIPv6アドレスやDHCP情報を割り当てる(ステートフル)---があるとする。

 このうち(1)の手動設定については、IPv6アドレスの桁数がIPv4に比べて非常に長いことを実際に例示し、手入力では設定が面倒になることを示した。一方の端末はルーター広告という仕組みを使ってIPv6アドレスを取得するが、そのメッセージ中のフラグによって、(2)(3)(4)の方式を使い分けられることを説明した。

 続いて高鳥氏は、DNSサーバーの具体的なIPv6対策として、同社が提供する「デュアルスタックDNS」を紹介した。これはIPv4とIPv6のどちらのDNSクエリー(名前解決リクエスト)にも応答できるDNSサーバーである。さらに高鳥氏は「DMZに設置された公開DNSサーバーは、いわば電話帳のようなもの。メールサーバーやWebサーバーよりも先にIPv6対応を」と訴えた。実際、ある大学のネットワークでは公開DNSサーバーとファイアウォールを先行してIPv6化し、徐々に他の機器にも展開していく計画でIPv6対応を進めているとした。

 最後に高鳥氏は、企業ユーザーはいつIPv6対応に着手すべきかという会場からの質問に対して、「実際の準備にはかなり時間がかかるので、例えばバージョンアップでIPv6に対応できるかどうかなどの調査は、今すぐにでも始めることをお勧めする。IPv6に対応しないままだと、今後増えてくるIPv6端末からのアクセスに応えられず、ビジネスの機会損失につながる」と結んだ。