米エネルギー省傘下のオークリッジ国立研究所は米国時間2011年10月11日、スーパーコンピュータ「Titan」の構築に関して米Crayと契約したことを明らかにした。同研究所の既存のスーパーコンピュータ「Jaguar」をアップグレードし、10ペタFLOPS(毎秒1京回の浮動小数点演算)以上の処理性能を目指す。

 具体的には、現在2.3ペタFLOPSの「Cray XT5」システムを、ピーク速度10~20ペタFLOPSの「Cray XK6」に置き換える。Cray XK6は米AMDの「Opteron」プロセッサと米NVIDIAの「Tesla」GPUを採用する。Teslaは、高い電力消費効率で、科学アプリケーションの特定の計算を高速で実行できるという。

 第1段階で1ノード当たり16コアのプロセッサを1基搭載し、メモリーを倍増する。第2段階で7000~1万8000個の次世代Teslaを内蔵する。

 約29万9000個のコアと600テラバイトのメモリーを搭載したTitanは、エネルギー省の優先課題であるエネルギー技術および科学研究に焦点をあて、実用的な生物燃料の生成シミュレーションなどを行う。原子力プラントの安全なライフサイクル延長の研究や、エネルギー利用が環境に与える影響、土壌汚染などの調査にも使われる。

 アップグレードの最終段階は2012年後半に完了する計画で、2013年の早期に使用準備が整う見込み。

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