米連邦通信委員会(FCC)は米国時間2011年10月6日、全米で通信サービスを平等に利用可能とするためのユニバーサルサービス基金(USF)の改革案を発表した。電話サービスではなくブロードバンドサービスの普及に重点を置いた効率的な運用を提案している。

 FCC会長のJulius Genachowski氏は、現在のUSFは時代遅れでムダが多く、不公平だとして見直しの必要性を主張し、「Connect America Fund」に統合することを改革案に盛り込んだ。Connect America Fundでは、現在サービス対象外にある家庭や企業、アンカー施設への低価格ブロードバンドの広範な提供と、モバイルブロードバンドの普及拡大を主目的とする。

 低価格ブロードバンドの提供については、現在ブロードバンド未導入の1800万人を支援することを目指す。2012年に家庭および企業向けに数十万回線の提供を開始し、その後5年間でさらに数百万回線を利用可能にする。モバイルブロードバンドについては、「Mobility Fund」を新設し、第4世代(4G)ネットワークの展開促進などに焦点を当てる。

 またFCCは、通信事業者が互いのネットワークを利用する際の料金を決定する通信事業者間接続補償(ICC)に関しても、現在の技術と市場の変化に対応しておらず、競争のねじれを作り出していると批判し、近代化に取り組むことを強く説いた。

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