iPhone 4Sの外観
iPhone 4Sの外観
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 電子機器・部品の市場に詳しいカナダの調査会社UBM TechInsightsは現地時間2011年10月5日、米Appleの新型スマートフォン「iPhone 4S」の原価分析結果を発表した。それによると、iPhone 4Sの32Gバイトモデルの推定部品原価は203ドルで、AppleはiPhoneの従来機と同様に高い利益率を確保しているという。このうち「A5」プロセッサの部品原価は26ドル、「Retina」ディスプレイは31ドルと推定している。

 iPhone 4Sは、「iPad 2」にも搭載されているA5プロセッサを採用し、バッテリー性能を向上したほか、GSMとCDMAの両通信方式に対応している。しかしUBM TechInsightsによると、iPhone 4Sは前モデルのiPhone 4と比較し「緩やかな改善」にとどまる(関連記事:「iPhone 4S」は描画速度が「4」の7倍に、「iPod touch」と「nano」にも新モデル)。

 同社Technical Intelligence部門副社長のDavid Carey氏は、「ハードウエア技術の側面で見ると、iPhone 4Sには特に目覚ましい進歩があるわけではなく、ちょうどiPhone 3Gが同3GSへと改良されたのと同程度の進化の度合いだ」と指摘。Appleは同様のアプローチで次の端末「iPhone 5」の準備を進めていると同氏は推測している。「Appleは今後もこうしたペースでハードウエアの改良を進めながら、より高機能の音声認識や複雑な画像処理などでソフトウエアを刷新し、端末の使い勝手を良くしていく」(同氏)という。

 なおiPhone 4S(32Gバイトモデル)の米国での販売価格は2年間の通信契約を結んだ場合で299ドルだが、米メディア(ZDNet)の情報によると、通信キャリアによる割引がなかった場合はこれに450ドルが上乗せになり、実際の価格は749ドルになる。

[発表資料(PDF文書)]