東京大学、日本マイクロソフト、レノボ・ジャパン、豊島区教育委員会は2011年10月5日、学生たちの「21世紀型スキル」の育成を目指す実証研究に共同で取り組むことを発表した。東大駒場キャンパスの学習施設「21 KOMCEE」および豊島区立千川中学校に、タブレットPCやクラウドサービスを利用して能動型学習(アクティブラーニング)を行うための環境を整備する。

 21世紀型スキルとは、情報を伝えるコミュニケーション能力、集団でリーダーシップを発揮するコラボレーション能力、課題発見解決力、自律的に学習する能力などを指す。今回の取り組みでは、東大が開発した読解支援ソフトウエア「eJournal Plus」やMicrosoft OneNoteを搭載するタブレットPCを使ったアクティブラーニングにより、学生のデジタル読解力、ITを使ったコミュニケーション技術などを醸成し、21世紀型スキルの育成を目指す。

 具体的には、10月上旬から東大の21 KOMCEEにレノボ製のタブレットPC「Lenovo X220 Tablet」60台を導入し、文系科目、理系科目、語学でアクティブラーニングを実施する。また、千川中学校では、10月下旬から、40台のLenovo X220 Tabletを使ってeJournal Plusを使った読解、OneNoteを利用したグループ学習などを行う。さらに、クラウドサービスを利用した自宅学習についても実験を行う計画だ。

 豊島区教育委員会の三田一則委員長は、「区立中学校では、生徒の学力の二極化が問題となっている。要因は、家庭環境の違いなどにより、学習意欲や学習習慣にバラつきがあることだ。タブレットPCやクラウドを使った能動的な授業により、生徒の学習意欲、学習習慣のバラつきを是正し、学力の二極化を改善したい」と述べた。