NTTデータは2014年をめどに、勘定系システムをクラウド方式で提供する新サービスを始める。フィデアホールディングス傘下の荘内銀行と北都銀行が採用を決めた。

 第一弾として、2014年に北都銀行が新サービスの利用を開始する。続いて2015年に荘内銀行が使い始める。北都銀行は現在、富士通の勘定系システム「PROBANK」を稼働させている。荘内銀行は、NTTデータが提供する既存の地銀向け共同サービス「地銀共同センター」を導入している。

 NTTデータはクラウド方式の新サービスと地銀共同センターのほかに、第二地方銀行向けの共同サービス「STELLA CUBE」も展開している。新サービスの投入によって顧客の選択肢を増やし、新規案件の獲得につなげる。

 荘内銀行、北都銀行は2009年に、STELLA CUBEの利用を検討することでNTTデータと基本合意していた。だが、移行費がかさむなどの問題から、採用決定には至らなかった。荘内銀行が利用する地銀共同センターに北都銀行が合流する案も浮上したが、北都銀行と競合する秋田銀行が先に加盟していることなどから断念していた。

 こうした荘内銀行と北都銀行の事情を踏まえ、NTTデータがクラウド方式の新サービスを用意するに至ったもようだ。

 NTTデータは新サービスの提供にあたって、同社が開発した勘定系パッケージ「BeSTA」を利用する。動作プラットフォームには、日立製作所製メインフレームを使う。これらのシステム構成は、基本的には地銀共同センターやSTELLA CUBEと同じであるが、クラウド方式の新サービスでは、マルチテナント型のアーキテクチャーを採用する。