音楽配信サービスを手がける米Rhapsody Internationalは米国時間2011年10月3日、米家電小売大手Best Buyの音楽配信子会社「Napster」を買収すると発表した。Best Buyとの契約のもと、RhapsodyはNapsterの顧客基盤などの資産を取得し、一方でBest BuyはRhapsodyに一部出資する。買収手続きは2011年11月末をめどに完了する見込み。

 RhapsodyのJon Irwin社長によると、同社はNapsterの会員、知的財産権、音楽配信権などの資産を取得する。こうした直接的な資産買収により、成長する米国のオンデマンド音楽市場で拡大戦略を進めるとしている。

 Napsterは1990年代後半に無料のPtoP型ファイル交換サービスとして人気を集めたが、その後全米レコード協会などから提訴され、一時サービス停止に追い込まれた。2002年に米Roxioが買収し、有料の音楽配信としてサービスを運営していたが、2008年にBest Buyが1億2100万ドルで買収した(関連記事:Best BuyがNapsterを総額1億2100万ドルで買収へ)。

 一方のRhapsodyは、2007年から米RealNetworksと米Viacomの子会社、MTV Networksの合弁事業として運営していたが、2010年に両親会社から分離し、現在は独立会社としてサービスを提供している(関連記事:RealNetworks、デジタル音楽事業「Rhapsody」を分離へ)。

 米国の音楽配信市場には、欧州で人気の英Spotifyや米Rdioなどの新興企業が市場参入しており、競争が激化している。米メディア(Wall Street Journal)は、SNSなどと連携する新しいサービスの台頭が、RhapsodyやNapsterなどの老舗企業の事業運営を難しいものにしていると伝えている(関連記事:欧州で人気の音楽配信サービス、Spotifyが米国進出Skype創立者が音楽配信サービス「Rdio」を開始)。

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