U-20プログラミング・コンテストの最終審査会が2011年10月2日に開催され、受賞作品が選ばれた。名古屋市立向陽高等学校普通科3年河田智明氏の電子辞書向けWikipediaビューワー「XTbook」、信州大学工学部情報工学科2年山本裕二郎氏のソフトウエアシンセサイザー「Xylph(シルフ)」、宮城県工業高等学校 情報技術科3年高橋翔哉氏の使用電力計測装置とアプリ「What(Watt:ワット) a wonderful ECO!!」、新潟コンピュータ専門学校ゲームクリエーター科2年チームあわわのアクションゲーム「あわわ」の4作品が経済産業大臣賞を受賞した。
U-20プログラミング・コンテストは、経済産業省や文部科学省などが共催する情報化月間推進会議が主催する、20歳以下の学生に限定したプログラミング・コンテスト。「全国高校生・専門学校生プログラミングコンテスト」として1980年に始まり、2004年にU-20プログラミング・コンテストに改名。今回が32回目となる。
実用性十分な電子辞書向けWikipediaビューワー
「XTbook」は、シャープの電子辞書「Brain」上で、インターネットに接続していなくともWikpediaを閲覧できるソフト。インターネット上で公開している。軽量化、省メモリー化のためにWebブラウザーやコンテンツ管理システムであるMediaWikiに相当する機能を独自に開発した。「動作性に優れ、十分に実用に耐えうる」(審査講評)。作者の河田氏は現在高校3年生だが、小学校の頃には最初のWikpediaビューワーをVisual Basicで作成していたという。
テキストベースのソフトシンセサイザー
「Xylph」は、Windowsで動作するシンセサイザーソフト。再生している波形をリアルタイムに表示したり、完成した曲をWAVEファイルとして書き出す機能を備える。ベースとなる波形は85種類あり、これらを組み合わせてエフェクトをかけることによって様々な音色を作成できる。わかりやすいテキストデータで楽曲を記述できることやドキュメントの充実ぶりなどが評価された。
自作ハードの消費電力計測装置とアプリ
「What(Watt:ワット) a wonderful ECO!!」は、消費電力計測装置とアプリ。「~なんてエコは素晴らしい!!~」という副題がついている。消費電力値をグラフや色で表示するだけでなく、電源のオン/オフも可能だ。もちろん装置もアプリも自作。装置の材料費は1万5000円ほどかかかったという。装置自体は2Wの電力を消費しているが、「例えばプリンタの待機電力は4Wなので、この装置で電源を切ればエコになる」(高橋氏)という。
浮遊感が楽しいアクションゲーム
「あわわ」は、風で浮遊する3次元CGの妖精を操って空の上を進むアクションゲーム。シャボン玉を出して障害物を防ぐ。雲のグラフィックスなどと相まって、ふわふわと浮かぶ感覚が楽しいゲームだ。ソースコードを適切な機能単位に分割してプログラムを作り込んでいる点などが評価された。