米グーグルは2011年9月28日、台湾、香港、シンガポールの3カ所に、土地面積だけでそれぞれ2~15ヘクタールにも及ぶ大規模な自社データセンターを建設すると発表した。総投資額は2億ドル以上で、1~2年内の稼働開始を目指す。

 グーグルはWebサイトにおいて、米国に6カ所、フィンランドとベルギーにそれぞれ1カ所ずつの自社データセンターを運用していることを明らかにしている。同社がアジア地域における自社データセンターの建設や運用の実態を明らかにするのは、今回が初めてのことだ。

 同社はデータセンター立地としてこの三カ所を選んだ理由として、アジア圏全体でグーグルのサービス利用者の急拡大が見込めることや、信頼できる電力供給が得られること、スキルの高い労働力が得られること、法規制やコスト面が満足できる水準であることなどを挙げている。

 最も規模が大きいのは台湾のデータセンターで、台湾中部の彰化県に15ヘクタールの土地を確保した。投資額は1億ドルを見込んでいる。香港データセンターに関しては、九龍半島に2.7ヘクタールの土地を確保した。投資額は同じく1億ドルを見込んでいる。

 シンガポールのデータセンターに関しては、工業地域である「ジュロンウェスト(Jurong West)」地区に2.45ヘクタールの土地を確保した。投資額に関しては発表していない。

 いずれも大規模なデータセンターとなる見込みだが、雇用への波及効果は小さい。グーグルは台湾データセンターと香港データセンターに関連して、それぞれ5~20人のフルタイム勤務従業員を雇用する予定だと発表している。同社のデータセンター運用は高度に自動化しており、多くの人手を必要としないためだ。