図●年齢層別に見た、情報端末の平日における利用時間(出典:IDC Japan)
図●年齢層別に見た、情報端末の平日における利用時間(出典:IDC Japan)
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 IDC Japanは2011年9月29日、国内の家庭ユーザーにおける情報端末の利用実態について調査した結果を発表した。ここでの情報端末は、PC、スマートフォン、メディアタブレット(タブレット機)など。

 調査によれば、ユーザーの1日当たりの平均利用時間は、スマートフォンが100分、ポータブルPCが140分、デスクトップPCが160分。スマートフォンの利用時間はPCよりも短いことが分かった()。

 IDCは調査レポートで「スマートフォンは通勤や通学など、移動中の空き時間を埋める目的で利用されることが多い。一方、PCは文書の作成、オークションやショッピングなど、目的を明確にして使われることが多い。これが、平均利用時間の差に表れている」と分析する。

 また、ユーザーにそれぞれの情報端末の必要性について聞いた。「PCが必要である」との回答は96%だった。一方、「メディアタブレットが必要である」との回答は11%だった。IDCは「メディアタブレットは製品としてのポジショニングがまだ明確になっていない。これが回答率の低さに表れている」とみる。

 PCで必要な機能や重視している要素をユーザーに聞いたところ、最も重視しているのは「高速CPU」だった。IDCは「PCを利用する際にストレスを感じるのは処理速度。近年のPCはプロセッサ技術の発達により、エントリーモデルでも処理速度の高速化が進んでいる。だがそれでもユーザーは性能のカギとなる高速なCPUを求めている」としている。

 また調査では「スマートフォンを購入する際、PCを比較対象として検討するか」について調べた。「PCとスマートフォンを比較検討してスマートフォンを購入した」と回答した比率は0.8%とごくわずかだった。

 IDC JapanでPCや携帯端末、クライアントソリューション分野を担当する浅野浩寿シニアマーケットアナリストは、「家庭用PCとスマートフォンは競合関係になる、と言われることが多い。だが今回の調査によれば、ユーザーは『PCとスマートフォンは別物』と見なしており、それぞれを使い分けている」としている。