ソフトバンクモバイルは2011年9月29日、2011年冬-2012年春モデルの新製品発表会を開催した。質疑応答ではソフトバンクモバイル 代表取締役社長の孫正義氏に対して、iPhoneについてやプラチナバンドと呼ばれる700/900MHz獲得についての質問が多く出た。主な質疑応答は以下の通りである。

iPhone関連

今回の新製品のラインナップはAndroid端末が多い。iPhoneとのすみ分けはどうなるのか。

 iPhoneは依然として最も優れたスマートフォンのスマートフォンの一つであり、その革新性は続いていく。一方、Android端末は世界中で多くのメーカーがしのぎを削って開発している。日本固有のワンセグ、おサイフケータイなど日本のニーズにマッチしてきている。今後は両方幅広く扱う。

iPhoneは絶対的な主力製品という位置づけが変わるのか。

 iPhoneは依然として最重要機種である。これに加えて様々な機種を充実させる。次世代の4Gスマートフォンとして「SoftBank 4G」という最高速大容量のサービスを取り込んでいく。

iPhoneをKDDIが年明けにも出すのではと言われているが、その影響は。

 他社のこと、およびそれに関連することはノーコメント。

iPhoneの新機種が近々発表されると思うが、それに対しての期待感は。またiPhoneがマルチキャリアで展開されるようになる可能性があるが、その影響は。

ノーコメント。

プラチナバンド700/900MHz帯関連

「SoftBank 4G」は2.5GHz帯を使うが、これが実現すれば900MHz帯は必要ないのか。

 900MHz帯と2.5GHz帯はまったく用途が異なる。900MHz帯は建物の中や山間部など電波が届きにくい場所でも浸透しやすい特徴があり、これを積極的に活用したい。2.5GHz帯は大容量通信に向いている。

 700/900MHz帯は競争の公平性の観点以外に、ソフトバンクモバイルが割り当てられる合理的な理由はあるか。

 800MHz帯前後の周波数は、大手3社の中でソフトバンクモバイルだけが割り当てられていない。イコールフッティングの観点から不満だった。新たに周波数が割り当てられるならば、他社に肉薄するユーザー数があり、ネットワークを有効活用している我々に割り当てられるのが当然だと考えている。

イー・アクセスも同様の主張であり、MVNO(仮想移動体通信事業者)による回線提供も考えているが。

 イー・アクセスは、許認可を受けた周波数帯をめいっぱい使って追加の周波数帯が必要だ、というほどのユーザー数にはなっていない。イー・アクセスは98~99%がデータ通信のみで、音声通話をするユーザー数が少ない。東日本大震災で経験したが、ライフラインとして音声通話を担保できる必要があるが、大手3社でソフトバンクモバイルだけがそれに適した800MHz前後を割り当てられていない。これは非常に問題ではないかと感じている。仮に我々が900MHz帯を得れば、それをイー・アクセスなどにMVNOとして提供するというのは考慮に値する。

 今年から2年で1兆円の設備投資を行うと公言しており、電波を有効活用するつもりである。約3000万のユーザーがいるが、周波数の許認可がないために山間部などに信号が届きにくいという状況を改善するために900MHz帯は必須である。

 ソフトバンクモバイルは16万局の基地局を設置しているが、KDDIはその1/3か1/4と少ない。NTTドコモも16万局よりは少ない。限られた周波数帯しかないソフトバンクモバイルが最も多くの基地局を設置している。周波数帯がないことで、電波が届かないことの言い訳にはならないため今後も基地局を増やしていくが、それに加えて電波環境の改善に900MHz帯は必須である。