Excelsior JET 7.6の画面
Excelsior JET 7.6の画面
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 エクセルソフトは2011年9月22日、事前にWindows/LinuxネイティブコードへとコンパイルすることでJavaアプリケーションを高速化する開発ツールキットの新版「Excelsior JET 7.6」を発表した。9月26日に販売開始する。最新のJava規格に対応したほか、実行時性能と安定性を高めた。価格は、16万3800円(税込)から。開発会社はロシアのExcelsior。

 Excelsior JETは、Javaアプリケーション(バイトコードにコンパイル済みのJavaクラス)を、WindowsまたはLinux上で動作するx86(IA-32)ネイティブコードへと変換する開発ツールキットである。主に、事前のコード変換時に使う「AOT (ahead-of-tme)コンパイラ」と、ネイティブコードの実行時に必要な「Excelsior JETランタイム」で構成する。インストールパッケージの作成ツールも備える。

 あらかじめネイティブコードへとコンパイルしておくことにより、通常のJava VMによるアプリケーション実行手続き(実行時にコンパイルするJITコンパイル)と比べて、アプリケーションの起動時間が短縮され、実行時性能が向上する。また、配布したアプリケーションの実行時には、専用のランタイムが必要になるものの、Java実行環境(JRE)が必要ない。

 新版では、実行時性能と安定性を高めた。最上位の「エンタープライズエディション」では、マルチコア/マルチCPU時の実行時性能が、特定のベンチマークテストで1.2~2.6倍に向上したとしている。また、同エディションでは、GUI開発環境とJavaアプリケーションサーバー(Servlet/JSP)への対応を、それぞれ最新版のEclipse RCP 3.7とApache Tomcat 7.0で利用できるようにした。

 稼働OSは、開発環境(コンパイラ)と実行環境(実行形式およびJETランタイム)ともに、以下の通り。Windows版は、Windows XP/Vista/7、Windows 2000 Server、Windows Server 2003/2008。Linux版は、Kernel 2.6.x、glibc 2.3以降、NPTL(Native POSIX Thread Library) 2.3以降。

 エディション構成は3種類で、以下の通り(価格は税込み)。(1)「スタンダードエディション」は、基本機能を提供する。Windows版は16万3800円。Linux版は24万5700円。(2)「プロフェッショナルエディション」は、よりコンパイラを最適化しているほか、配布サイズを小さくできる。Windows版は27万3000円。Linux版は40万9500円。(3)「エンタープライズエディション」は、マルチコア/マルチCPUで動作するなど。Windows版は54万6000円。Linux版は81万9000円。