米Bloombergなどの米主要メディアは現地時間2011年9月21日、米Hewlett-Packard(HP)の取締役会が、Leo Apotheker最高経営責任者(CEO)の更迭を検討していると報じた。後任者として元eBay CEOで、HP取締役を務めているMeg Whitman氏の名が挙がっているという。

 HPでは2010年8月に、会長、CEO、社長を兼務していたMark Hurd氏が不適切な経費処理の問題で辞任。同年11月、ドイツSAPでCEOを務めたApotheker氏がCEO兼社長に就いた。

 Apotheker氏は就任後、クラウドコンピューティングやソフトウエアなどを柱とした事業戦略を打ち出し、コスト削減策も実施するなど、HPの経営改革を進めてきた。2011年8月には、パソコンなどを手がけるPersonal Systems Group(PSG)の分離独立(スピンオフ)を検討、webOS搭載タブレット端末などの開発を打ち切る方針を明らかにし、業務ソフトを手がける英Autonomyの買収も発表した(関連記事:HPがwebOS事業を打ち切り、PC部門の分離検討)。

 Bloombergによると、CEO就任以来、Apotheker氏が3度にわたり業績見通しを下方修正したことや、突如の戦略変更などが、投資家の不信感を募らせたもよう。ただし、米Wall Street Journalは事情に詳しい関係者の話として、HPの取締役会は米国時間9月21日にApotheker氏の更迭を検討する会議を開いたが、まだ何も決定しておらず状況は流動的だと報じている。また、暫定CEOの候補者として挙げられている当のWhitman氏自身は興味を示していないとも伝えている。