米Adobe Systemsは現地時間2011年9月21日、Flashコンテンツ再生ソフトウエアの新版「Adobe Flash Player 11」とアプリケーション実行環境の新版「Adobe AIR 3」を発表した。様々なプラットフォームにわたって次世代ゲームや高精細(HD)ビデオを楽しめるとしている。Flash Player 11とAIR 3は10月初旬に一般向けにリリースする。

 ハードウエアアクセラレーションを利用した高速描画により、2次元(2D)および3次元(3D)グラフィックスのレンダリングを前バージョンと比べ1000倍速く実行する。ゲーム開発者はMac OS XやWindows搭載パソコン、ネット対応TVにビデオゲーム機同様の画面を提供できると、同社は説明している。

 オープンソースのライブラリを多数サポートしており、デバイスデータ、振動制御器、磁力計、光センサー、デュアルスクリーン、近距離無線通信(NFC)といったハード/ソフトウエア機能を利用することが可能。

 WindowsやMac OS X、モバイルプラットフォーム「Android」や「iOS」において、ユーザーがAIRを個別にインストールしたりアップデートしたりする必要は無い。「Captive Runtime」と呼ぶ機能により、アプリケーションにAIRランタイムを自動で同梱できる。iOSデバイスではAIRアプリケーション内でH.264ハードウエアデコーディングを使ってフルHDビデオを再生できる。

 また、Flashコンテンツ保護ソフト「Adobe Flash Access」とコンテンツ認証「Adobe Pass」をサポートすることによって、レンタルや期間契約型といったコンテンツ配信事業に対応する。

なお、Flashアプリケーション開発ツール「Flash Builder」および「Flex」では、年内にFlash Player 11とAIR 3の新機能をサポートする予定。

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