全日空(ANA)は2011年9月20日、グループの全客室乗務員に米アップルのタブレット型情報端末「iPad 2」を支給すると発表した。業務に使うマニュアルを電子化して携行するほか、動画や映像を使った自己学習用の教材などを配信し、従業員のスキルアップや研修の効率化などの効果を見込む。まず2011年10月から700人を対象に先行導入し、2012年4月をメドに6000人の全客室乗務員に広げる。

 航空会社は一般に、客室乗務員に「乗務マニュアル」の携行を義務付けており、ANAの場合は3冊構成で重さも2.1kgあるという。重量0.7kgのiPadによる電子マニュアルの携行に置き換え、従業員の負担を減らせる。

 電子マニュアルの配信には、ソフトバンクテレコムのクラウドサービスを利用。端末に蓄積するマニュアルを常に最新に保てるほか、映像や動画を使った学習教材も配信できる。ANAでは、iPadを使ったeラーニングを定着させ、集合教育時間の短縮や新人研修の効率アップなどを図る考え。