写真1●ソニー・エリクソンの「Stand Out」プログラムのサイト
写真1●ソニー・エリクソンの「Stand Out」プログラムのサイト
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写真2●applikoの上位30タイトルの有料・無料分析
写真2●applikoの上位30タイトルの有料・無料分析
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 2011年9月15日~18日に開催された「東京ゲームショウ 2011」では、「Android×ゲーム スペシャルセッション」が、ビジネスデイの9月16日に行われた。登壇者は、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ 営業本部 マーケティング部 統括部長 金子克之氏、NTTコミュニケーションズ アプリケーション&コンテンツサービス部 担当部長 三隅浩之氏、NHN Japan スマートフォン事業部長 室田典良氏の3氏。端末メーカー、アプリレビューサイト、アプリ開発者の立場から、Android向けゲームの現状と将来展望を語った。

 最初に登壇した金子氏は、ゲームショウに合わせて発表した「Xperia PLAY」の機能やハードウエア仕様を紹介した。ゲームとしては、Android向けのゲームのほか、PlayStation向けのゲームタイトルも用意されている(関連記事)。

 ビジネスデイの来場者に向けて金子氏は「アプリケーションやアクセサリーの提供において、多くのパートナーと協力して市場を拡大したい」と呼びかけた。同氏の講演では、優れたゲームを同社のサイトを通じてプロモーションする「Stand Out 」プログラムも紹介した。同社のサイトを通じて登録できる(写真1)。

 続いて登場したのが、Androidアプリのレビューサイト「appliko」を運営するNTTコミュニケーションズの三隅氏。月間2000万PV(ページビュー)があるレビューサイトの視点から市場動向を分析した。

 三隅氏がまず紹介したのは、ゲームの存在感の高さである。applikoの全4460アプリ中、ゲーム分野は1345にもなる。続いて、Android向けでも「ちょいゲー」が人気、つまり隙間時間で遊ぶ傾向があることを紹介した。上位30本中、19本を「ちょいゲー」が占めるという。

 さらに、上位30位の分析では、3Dグラフィックスを使ったタイトルが12本、リッチなグラフィックスを使ったタイトルが16本、ジャイロセンサーを使ったタイトルが9本、オンラインゲームが7本、海外タイトルが17本あることを紹介した。

 有料・無料別では、有料が17本に対して、無料が13本。Androidアプリは無料が多いと言われるが、アイテム課金や次ステージから有料などを含めて有料アプリが意外と多いことが分かる(写真2)。

 最後に、今後起こることとして、端末の機能をフル活用したゲームと「ちょいゲー」の二極化が進むこと、タブレットやテレビなど大画面向けタイトルの登場、海外企業との競争が激しくなることなどを挙げた。

 最後に登場したのが、「ハンゲーム」で知られるNHN Japanの室田氏。NHN Japanは、2010年からスマートフォン市場に参入、既にスマートフォン向けに100本以上のゲームを提供している。

 室田氏は、同一アプリのiOS版とAndroid版について、ユニークユーザー数やダウンロード数などの比較結果を紹介した。iOSでは、App Storeが強く影響、短期間でランキングが上昇する傾向がある。一方、Androidでは徐々にランキングが上がっていくことが多い。Androidユーザーには初心者が多いことから、潜在的なアプリの可能性があるとも述べた。

 続いて、コンシューマーゲームや携帯電話(フィーチャーフォン)ゲーム、パソコンネットワークゲームなどを分析、今後はすべての市場がスマートフォンのアプリケーション市場に集約されていくのではないかとの見方を示した。

 さらに、ゲームショウに合わせて発表した「ジークラウド」にも簡単に言及した。同社がNTTドコモと共同で10月から開始するオンラインゲームサービスである(関連記事)。ゲーム端末から、ゲーム本体の処理を行うデータセンターにアクセスして楽しむ「クラウドゲーム」である。

 講演の締めくくりとして室田氏は「世界に通じるアプリケーションを一緒に作っていきたい」と来場者に呼びかけた。