プログラミング言語Rubyが、国際標準化機構/国際電気標準会議(ISO/IEC)で2011年9月上旬に締め切られた投票において、ファストトラック(迅速手続)に採択されたことがわかった。これにより、Rubyの国際標準化プロセスが正式にスタートすることになった。順調に行けば、2012年にもRubyが国際標準となる。

 ISO/IECのファストトラックは、既に標準化された既存の規格に基づき、通常よりも迅速に審議を行い国際標準化する方式。Rubyは2011年3月にJIS規格として公示されている(関連記事)。そのため、JIS規格に基づいたファストトラックでの審議がISO/IECに提案されていた。

 Rubyをファストトラックに採択するかどうかを問う投票は、ISO/IECの小委員会JTC1/SC22で2011年4月から欧米をはじめとする各国の委員によって行われ、9月6日に締め切られた。関係者によれば、9月中旬に示された集計結果では、Rubyは反対票0で採択された。

 今後RubyはJTC1/SC22で審議が行われ、早ければ2012年初頭に行われる最終投票で国際標準となる。

 反対票0票で採択されただけでなく、JTC1/SC22のプログラミング言語の脆弱性に関するワーキンググループ(WG23)が作成を進めている、安全なプログラム作成のためのガイドラインでは既に付属資料でRubyについての検討が行われているなど、委員のRubyに対する関心は高い。国際標準として策定される可能性は高そうだ。