写真1●メインの管理画面。デスクトップ配信とアプリケーション配信を混在で選択
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写真2●仮想デスクトップの管理画面
写真2●仮想デスクトップの管理画面
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写真3●通信設定画面。Ericom Blazeの設定を選択
写真3●通信設定画面。Ericom Blazeの設定を選択
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 アシストは2011年9月14日、利用形態が柔軟なデスクトップ仮想化ソフト「PowerTerm WebConnect」を販売開始した。任意の仮想マシンやWindowsアプリケーションの操作が可能で、HTML5による操作も可能。1ユーザーあたりの価格(税別)は、7440円(指名ユーザーで1000人以上の場合)~1万7640円(同時アクセスで99人以下の場合)。開発会社は、イスラエルEricom Software。

 PowerTerm WebConnectは、Windowsを画面情報端末を介して遠隔操作するための、デスクトップ仮想化/アプリケーション仮想化ソフトである。操作対象は、Windows OSのデスクトップ画面と、個々のWindowsアプリケーション(Windows Serverのターミナルサービス機能を利用)である。いずれも、画面操作プロトコルには、Windows標準のRDP(Remote Desktop Protocol)を利用する。

 デスクトップブローカ機能を備えており、操作対象となるWindows PCと、操作端末となる画面情報端末とを、1対1でヒモ付けて管理する。エンドユーザーは、どこからでも、PowerTerm WebConnectにアクセスすれば、自分自身のデスクトップ環境を利用できる。

 RDPの通信形態に応じて、PowerTerm WebConnectは大きく二つのアーキテクチャで動作する。一つは、Windows PCと操作端末の間に入って、RDP通信を中継・仲介する使い方。もう一つは、最初にPowerTerm WebConnectにアクセスした後、Widnows PCと操作端末が直接RDPで通信する使い方である。

 PowerTerm WebConnectの特徴は、大きく三つある。(1)データ圧縮によってRDPを高速化するソフト「Ericom Blaze」を備える点、(2)HTML5で画面操作できる点、(3)連携できる仮想マシンソフトが豊富な点、である。

RDP圧縮で高速化、HTML5で遠隔操作

 PowerTerm WebConnectは、RDPプロトコルを圧縮するEricom Blazeを搭載し、RDP通信を5~25倍に高速化する。PowerTerm WebConnectのサーバー上で、同機能をON/OFFできる。ONにした場合、Windows PCとのRDP通信を、サーバー上でEricom Blazeに変換する。

 Ericom BlazeをONにした場合、操作端末側でEricom Blazeを使うための専用クライアントソフトが必要になる。このためのソフトを用意した(Windows、Mac OS X、Linuxで動作する)。Android用の専用クライアント「AccessToGo」も、マーケットで公開している。

 さらに、操作対象となるWindows PC上に直接インストールして使うEricom Blazeのサーバーソフトも用意した。これを使えば、PowerTerm WebConnectのサーバーを仲介することなく、操作端末からWindows PCを、Ericom Blazeを使ってピアツーピアで操作できる。

 HTML5を使って、RDPやEricom Blazeのクライアントを使わずに遠隔操作することもできる。HTML5を利用可能なWebブラウザ(Chrome、Safari、Firefoxなど)からPowerTerm WebConnectのサーバーを介して、Windows PCの遠隔操作が可能である。

各種の仮想マシンソフトを利用可能

 コネクションブローカ機能は、最低限Windows PCのIPアドレスが分かれば、操作端末と対応付けて管理できる。ブレードPCや仮想マシンなど操作対象PCの種類を問うことなく、RDPサーバーが立ち上がっていさえすれば接続先として利用できる。

 この上で、仮想マシンソフトと連携し、仮想マシンの立ち上げを指示したり、マスターイメージを利用したユーザー個別のデスクトップの配備などができる。利用可能な仮想マシンソフトは、VMware、Hyper-V、Xen(XenServer)、Oracle VM、KVM、Parallels Virtuozzoなど各種。