シマンテックは2011年9月13日、世界のネット犯罪の直接的な金銭被害額が1140億ドル(約8兆7800億円)との試算を発表した。クレジットカードの停止・再発行手続きにかかる手間などネット犯罪で失われた時間の対価としては、さらに2740億ドル(約21兆1000億円)の損失となる。合計で3880億ドル(約29兆9000億円)がネット犯罪によって、直接・間接的に失われている。この金額はマリファナ、コカイン、ヘロインの闇取引総額である2880億ドル(22兆2000億ドル)を上回るとしている。

 今回の試算は、ネット犯罪の調査レポート「ノートン ネット犯罪レポート」として発表した。日本での被害額は直接的な金銭被害が1842億円、間接的な時間の損失による被害が6524億円の合計8366億円と試算している。成人のネット犯罪の被害者数は世界全体で4億3100万人、日本では1150万人と推測する。

 ネット犯罪の内訳は、回答者の54%がマルウエアによる被害を経験したという。オンライン詐欺は11%、フィッシングは10%だった。携帯電話によるネット犯罪も、世界の成人ユーザーの10%が経験しているという。

 この調査は2011年2月6日から3月14日に実施。世界24カ国の18歳以上の成人1万2704人、8~17歳の児童4553人、学校教員2379人の合計1万9636人を対象に、インタビューを行った。

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