ConnectX-3 Virtual Protocol Interconnectアダプタカードの外観
ConnectX-3 Virtual Protocol Interconnectアダプタカードの外観
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 メラノックステクノロジーズは2011年9月12日、InfiniBandの最新規格「FDR」(Fourteen Data Rate)に準拠したサーバーアダプタ製品「ConnectX-3 Virtual Protocol Interconnectアダプタカード」のサンプル出荷を開始した。2011年第4四半期に正式出荷する。開発会社は、米Mellanox Technologies。

 今回、InfiniBandの最新規格であるFDRに準拠したHCA(Host Channel Adapter、サーバー接続用アダプタ)とスイッチ機器を、評価用サンプルとして用意した。FDRは、1枚のHCA(4レーン)で56Gビット/秒(実効54Gビット/秒)であり、現状規格のQDR(Quad Data Rate)の40Gビット/秒(実効32Gビット/秒)と比べて約70%帯域が向上する。加えて、レイテンシ(遅延時間)も20%減る。

 FDRへの準拠に加えて、10Gビット/秒および40Gビット/秒のイーサネット規格にも準拠する。同一のハードウエア(コネクタはQSFP)で、InfiniBand HCA機能と、イーサネットNIC機能を提供する。同社では、InfiniBand機能とイーサネット機能をワンチップ化して統合したアーキテクチャを採用しており、今回のFDR準拠は同アーキテクチャの3世代目に当たる。

 主要サーバーベンダーなどへのOEM(相手先ブランドによる生産)供給のほか、販売代理店を経由した自社ブランド製品の販売も実施する。価格は販売代理店に依存するが、現行製品の35%増し程度だという。なお、現行製品(QDRに準拠したConnect-X2 VPIアダプタ)の場合で、シングルポート版が10万円弱程度で売られている。

 InfiniBandは、クラスタリングシステムにおいてノード間をインターコネクト接続する用途など、広帯域かつ低遅延で通信しなければならないケースで使われるネットワーク技術である。データベースクラスタや、クラスタ型のNASシステム、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)などで頻ぱんに用いられている。