米Iridium Communicationsは現地時間2011年9月7日、衛星ネットワークを利用したWi-Fi接続機能の提供を発表した。新戦略「Iridium Force」の一環として、地上の無線ネットワークがカバーしていない場所でも、米Appleのスマートフォン「iPhone」などのWi-Fi対応モバイル端末から電子メールやWebにアクセスできるようにする。

 小型軽量のWi-Fiホットスポット機器「Iridium AxcessPoint」を衛星携帯電話「Iridium Extreme」あるいは「Iridium 9555」につなぐことで、スマートフォンやタブレット端末からWi-Fi経由でインターネットにアクセスできる。Iridium AxcessPointは2011年第4四半期に200ドル未満で発売する予定。

 利用に当たっては、AppleのモバイルOS「iOS」を搭載したモバイル端末とApple製ノートパソコン、および米Microsoftの「Windows」を搭載したパソコンには、無償の専用アプリケーション「Iridium AxcessPoint Mail & Web」をインストールする必要がある。カナダResearch In Motionの「BlackBerry」、米Googleの「Android」を搭載した端末は、アプリケーション無しでWi-Fi接続が行える。

 また同社は、WindowsノートパソコンをWi-Fiホットスポットとして利用するためのアプリケーション「Iridium AxcessPoint Connect」も無償でリリースする。同アプリケーションをインストールしたWindowsノートパソコンをIridium ExtremeあるいはIridium 9555に接続すると、地球上のどこでもWi-Fiホットスポット環境を実現できるとしている。

 ただし、米メディアの報道(PCMag.com)によると、Wi-Fi接続のデータ通信速度は26k~27kbpsとかなり遅い。サービスプロバイダやデータ通信料については明らかにしていない。

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