インターネットの標準化を進めるWorld Wide Web Consortium(W3C)は米国時間2011年9月6日、国際標準化機構(ISO)および国際電気標準会議(IEC)の第一合同技術委員会(JTC 1)と共に、W3C Web Services(WS)技術をまとめたパッケージをISO/IEC国際標準(ISO/IEC JTC 1 Standards)として正式に承認した。

 同パッケージは、2011年1月にISO/IEC JTC 1公開仕様書(PAS:Publicly Available Specifications)として提案されていた。世界で広く採用されているメッセージサービス技術の基本的仕様から成り、「SOAP Version 1.2 Part 1: Messaging Framework(第2版)」「SOAP Version 1.2 Part 2: Adjuncts(第2版)」「SOAP Message Transmission Optimization Mechanism(MTOM)」「Web Services Addressing 1.0 - Core」「Web Services Addressing 1.0 - SOAP Binding」「Web Services Addressing 1.0 - Metadata」「Web Services Policy 1.5 - Framework」「Web Services Policy 1.5 - Attachment」が含まれる。

 しかしSOAPやMTOM、およびWS技術は既に過去のものだと、米メディア(InfoWorld)からは指摘されている。SOAPがもてはやされたのは8年ほど前であり、現在ではRESTを採用するWebサービスが増えている。Webアプリケーションフレームワーク「Ruby on Rails」でも2007年に、SOAPに代わってRESTのサポートを重視する方針を決めた。

 W3Cと業界の動向のズレが目立つ例としては、SOAP以外にHTML5も挙げられる。W3Cは2010年、HTML5の規格が完成していないため実装を控えるよう勧告したが、業界では既にHTML5の採用が進んでいる。

[発表資料へ]