ドイツSAPは現地時間2011年9月6日、3次元(3D)グラフィックス技術の米Right Hemisphereを買収する計画を明らかにした。Right Hemisphereが持つ3Dモデルベースの視覚化およびコミュニケーション技術により、SAP製品全体にわたって視覚的ナビゲーションおよび応答機能を実現し、関連データを集約管理できるようにする。

 SAPは統合ビジネスアプリケーション「Business Suite」にRight Hemisphereの技術を取り入れ、モバイルにも対応させる予定。中核製品に視覚化機能を統合することで、多様な業界の顧客が事業スピードを高め、生産性を向上し、設計、製造、販売、サービスなど全部門にわたる情報のクオリティとプロセスを改善できるよう支援する。

 企業は共同設計作業や最新のサービス手順をアニメーションで確認したり、部品価格、在庫状況、品質レポートを視覚的に把握することが可能になる。またサプライヤや顧客との情報共有も、視覚的フォーマットを使って効率的に行うことができるとしている。

 Right Hemisphereはカリフォルニア州とニュージーランドに拠点を持つ非公開企業。SAPは投資部門SAP Venturesを通じて以前より同社に出資している。米メディアの報道(Computerworld)によると、Right Hemisphereはニュージーランド政府の事業支援策の一環で2006年に無利子の融資1400万ドルを獲得した。返済期限は2度延期され、今月が最終期限となっていた。Right HemisphereとSAPは、買収手続きの一環として返済することを明らかにしている。

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