総務省は2011年9月6日、「700/900MHz帯移動通信システムに係る参入希望調査」の結果を公表した。希望を表明したのは、NTTドコモ、KDDIおよび沖縄セルラー電話(以下KDDIと表記)、ソフトバンクモバイル、イー・アクセスである。NTTドコモとKDDI、イー・アクセスは700MHz帯と900MHz帯の両方を希望するとした。一方、ソフトバンクモバイルは900MHz帯のみを希望した。希望する周波数帯幅は、イー・アクセスが700MHz帯において10MHz×2または15MHz×2とした以外は、各社とも15MHz×2を希望した。

 導入システムは、各社ともLTE(Long Term Evolution)を想定しているものの、ソフトバンクモバイルだけは導入当初は900MHz帯でW-CDMAを高速化したHSPA+、その後にLTEを導入するとしている。導入時期は各社ばらついており、イー・アクセスは900MHz帯を2012年に、700MHz帯を2014年に導入としたのに対して、ソフトバンクモバイルは900MHz帯で2015年にLTEを導入し、それまではHSPA+で運用するとしている。NTTドコモとKDDIは「認定後早期に導入」という表現にとどめている。

 各社の意見で目立ったのは、イー・アクセスが免許人が満たすべき要件の中に、「MNO(移動体通信事業者)間でのネットワークシェアリング」を主張していることである。また、ソフトバンクモバイルは複数の申請があった場合の審査方法について、「既存システムの移行費用負担額の多寡ではなく、周波数のひっ迫度合いを最優先すべき」としている。

 そのほかでは、KDDIとイー・アクセスが700MHz帯と900MHz帯において、一方で免許の認定を受けた事業者が他方で認定を受けられないようにすべきと意見を述べている。またNTTドコモとKDDIは700MHz帯において、「テレビ受信系装置に対する検討が必要」と述べている。これは700MHz帯に移動体通信システムが導入された場合に、その電波を例えばテレビのブースターが受信してしまい、テレビがうまく映らない可能性があるといったことを指摘しているものと見られる。

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