米Googleは米国時間2011年9月2日、期待ほど成果を上げていない製品・サービスの提供を停止すると発表した。同社が言う“大掃除”の対象は、昨年買収したソーシャル検索「Aardvark」を含め10に上る。今後数カ月の間に順次打ち切りを行い、一部は他の既存製品・サービスの機能として統合する。

 Aardvarkは、ユーザーが質問を投稿するとコミュニティー内のほかのユーザーから回答や意見を得られるというもの。同サービスは2009年3月に立ち上がり、2010年2月にGoogleが買収した。米メディア(Wall Street Journal)によれば買収額は5000万ドルと見られている。

 Aardvarkは9月30日に閉鎖される予定で、その後すぐにデータは永久に消去される。ユーザーはそれまでにAardvarkにログインして必要なデータを直接ローカルにコピーするか、Aardvarkのサポートにデータの回収を依頼することができる。Aardvarkのチームは、Googleが6月に開始した独自SNS「Google+」の開発にも協力しており、閉鎖後は「人々をつなぎ、情報へのアクセスを向上するツールの開発に引き続き取り組む」としている。

 Aardvarkのほかには、新聞や雑誌記事を高速閲覧できる「Fast Flip」、デスクトップ内のファイルを検索する「Google Desktop」、2007年に買収した米Postiniのセキュリティ技術をベースにした「Google Web Security」などを打ち切る。

 Googleは、これら製品・サービスの打ち切りにより簡素化を図り、Googleの全体的な使用体験が向上すると同時に、より影響力の強い製品・サービスにリソースを集中できると説明している。同社は8月にも、傘下のソーシャルアプリケーション事業Slideのほとんどのサービスの提供を停止することを発表している(関連記事:Googleが買収したソーシャルアプリのSlide、サービス停止へ)。

[発表資料(Googleの公式ブログ)]
[発表資料(Aardvarkの公式ブログ)]