2011年8月31日(米国時間)、サンフランシスコで開催中の米セールスフォース・ドットコムのプライベートイベント「Dreamforce 2011」の基調講演で、“ソーシャルエンタープライズ”を実現するためのプラットフォームの位置づけや新機能などが明らかになった(写真1)。
まずプラットフォームの中で最下位レイヤーに位置付けられる「Data.com」(写真2)は、企業がソーシャル化するための第1段階となる(関連記事)顧客のプロフィールデータ構築を支援するサービス。企業情報データベースの「Jigsaw」(関連記事)やD&Mなどが提供する情報を利用する。
Data.comの上の層にある「Database.com」(写真3)は、2010年12月に発表されたソーシャルアプリなどを主なターゲットとしたデータベースサービス。同社のPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)である「Force.com」と「Heroku」を支えるデータベースサービスとして位置付けられている。HerokuについてはDreamforce 2011に先立つ8月26日、Javaのサポートが発表されており、基調講演でも同様の説明があった(写真4)。この結果、Herokuは、Ruby、JavaScript(node.js)、Clojure(クロージャー)、そしてJavaの4種類の言語に対応することになる。
「touch.salesforce.com」(写真5)は、タッチ操作のスマートフォンやタブレットをターゲットにsalesforceのアプリケーションを最適化するサービスである。具体的にはHTML5でスマートフォン/タブレット向けの実装を支援する。利用開始は2012年の予定である。
そのほか、TwitterなどのSNSで投稿される情報の解析ツールである「Radian6」(関連記事)が同社の企業向けSNSである「Chatter」の基礎部分に位置付けられている。今後同社ではこうした全体像のもとに、”ソーシャルエンタープライズ”を推進していくことになる。