写真●エンバカデロ・テクノロジーズ 日本法人代表の藤井等氏
写真●エンバカデロ・テクノロジーズ 日本法人代表の藤井等氏
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 エンバカデロ・テクノロジーズは2011年9月1日、開発ツールの新版「Delphi XE2」「C++Builder XE2」「RadPHP XE2」「Embarcadero Prism XE2」と、これらをすべて含むスイート製品「Embarcadero RAD Studio XE2」の出荷を開始したと発表した。

 同社は昨年から、開発ツール製品のバージョン名に“XE”を採用している。同社 日本法人代表の藤井等氏(写真)は、「“XE”は“クロスプラットフォーム開発”を意味している。今回発表した新バージョン“XE2”は、32ビットおよび64ビットのWindows、Mac OS X、iOSのクロスプラットフォーム開発を初めて実現し、当社の開発ツール史上、最も大きなバージョンアップになった」と説明した。

 Windowsネイティブアプリケーション開発ツールのDelphi XE2とC++Builder XE2では、新たに、3Dやアニメーションを使ったリッチアプリケーションをコンポーネント開発できる「FireMonkey」フレームワークを搭載した。FireMonkeyで開発したアプリケーションは、Windows、Mac OS Xでネイティブに動作する。

 「ビジネスアプリケーションの分野では、開発フレームワークの生産性に課題があり、リッチインタフェースの普及が遅れている。Delphi XE2/C++Builder XE2は、CPU/GPUのパワーをネイティブに活用できるためにパフォーマンスが高く、グラフィック処理や表現力が豊かなリッチ・ビジネス・アプリケーションの開発に適している」(藤井氏)。

 XE2では、モバイルアプリケーションを開発するための各種機能が追加された。Delphi XE2では、FireMonkeyを使用して開発したコードを、Mac環境にエクスポートしてXcodeでコンパイルすることにより、iOS向けのネイティブアプリケーションを作成できる。また、PHPアプリケーション開発ツールのRadPHP XE2では、スマートフォンやタブレット端末などのモバイルデバイスに最適化されたWebアプリケーションを、ドラッグ&ドロップ操作で開発できるようになった。

 Embarcadero RAD Studio XE2は、「Professional」「Enterprise」「Ultimate」「Architect」の4エディションを展開する。今バージョンで新規追加されたUltimateは、データベース関連の開発者向けに用意されたエディションで、データベース開発ツール「DB Power Studio Developer」が付属する。価格はProfessionalエディションが15万5400円から。

 Delphi XE2、C++Builder XE2は、「Professional」「Enterprise」「Ultimate」「Architect」に、エントリー版の「Starter」を加えた5エディションを展開する。Starterは従業員5人未満の企業、または一定限度の収益までの商用開発に利用できる。Professionalエディションの価格は、Delphi XE2/C++Builder XE2ともに9万8700円。RadPHP XE2は「Professional」「Enterprise」の2エディションを用意。Embarcadero RAD Studio XE2(旧バージョンの製品名は「Delphi Prism XE」)は1製品のみの提供となる。