写真1●ヴイエムウェアCTOのスティーブ・ハロッド氏
写真1●ヴイエムウェアCTOのスティーブ・ハロッド氏
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写真2●「エンドユーザー・コンピューティング」を実現する三つの柱
写真2●「エンドユーザー・コンピューティング」を実現する三つの柱
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 「VMworld 2011」のゼネラルセッションに、ヴイエムウェアCTO(最高技術責任者)のスティーブ・ハロッド氏が登壇。デバイスの種類や人の居場所に関わらず、ユーザー主導で情報活用する「エンドユーザー・コンピューティング」のコンセプトを披露した(写真1)。仮想デスクトップ「VMware View」をはじめ、アプリケーション仮想化「VMware ThinApp」、アプリケーション管理「VMware Horizon」など、様々な製品・技術を組み合わせて実現する。

 「PC後の世界は、デバイスではなく、人が中心になる」--。講演の冒頭でスティーブ・ハロッド氏は、次世代クライアントの姿をこう切り出した。PCに加えスマートフォンやタブレット端末などデバイスの種類は増えてきたが、その時々でユーザーが最適なものを選び、情報活用できることが大切だと続ける。実現には三つの柱が必要だという(写真2)。

 最初は「単純化(Simplify)」。社内外のアプリケーションとデータを集め、ユーザーに提供しやすいようにカタログ化する。次に、集めたものをユーザーグループとひも付ける「共通管理(Manage)」。最後が、ユーザーの要求に応じて情報を届ける「情報提供(Connect)」だ。

 単純化のフェーズでは、まずVMware Viewを使い、仮想デスクトップのリソースプールを作る。次に、ThinAppと「VMware Horizon Application Manager」を連携させ、社内外のアプリケーションを集める。Horizon Application Managerは今回、Windowsとモバイルアプリケーションに対応した。

 情報提供フェーズでは、ユーザー自らがHorizon Application Managerから必要なアプリケーションを選択してインストールできる。

 デスクトップから利用するデータについては、「Project Octopus」の名称で開発を進めているストレージサービスで共有しておく。「Octopusは、Dropboxをエンタープライズ版にしたようなもの」(スティーブ・ハロッド氏)。データをクラウド上で同期管理したうえで、その有効期間や共有ポリシーなどを設定できる。

 アプリケーションとデータへのユニバーサルアクセスを目指し、先のOctopusと並行して開発しているのが「Project AppBlast」だ。これは、HTML5をベースに、Windowsベースを含むあらゆるアプリケーションを端末に配信できるようにすることを目指す。スティーブ・ハロッド氏は、iPad上でMS Excelを利用するデモを披露した。

 1台のAndroid端末上で、個人用と仕事用の環境を使い分ける、「VMware Horizon Mobile」と呼ぶ技術も紹介された。既に韓国のLG製品で利用可能であり、サムスン電子も対応する計画だという。