写真1●米セールスフォース・ドットコムのプライベートイベント「Dreamforce 2011」が開幕
写真1●米セールスフォース・ドットコムのプライベートイベント「Dreamforce 2011」が開幕
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 米セールスフォース・ドットコムは2011年8月30日から9月2日まで(米国時間)、同社のプライベートイベント「Dreamforce 2011」をサンフランシスコで開催中である(写真1)。

 初日となった8月30日はブレイクアウトセッションが中心で、米国時間16時からは350社以上が出展する併設の「Cloud Expo」も始まった。会場には多くのカンファレンス参加者が詰めかけていた。

写真2●Dreamforce 2011の会場に掲げられた日本郵政グループが「Salesforce」を導入していることを示す垂れ幕
写真2●Dreamforce 2011の会場に掲げられた日本郵政グループが「Salesforce」を導入していることを示す垂れ幕
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 Dreamforceの会場で日本人の眼から見てひときわ目立っていたのが、日本語で書かれた日本郵政グループが「Salesforce」を導入していることを示す巨大な垂れ幕(写真2関連記事)。日本郵政グループの顧客情報システムに利用されており、短期開発・導入を実現した事例として注目を集めた。

 Cloud Expoの会場に眼を移すと、セールスフォースのブースでは「TOYOTA friend」のロゴが入ったプリウスが展示されている(写真3関連記事)。「TOYOTA friend」は、ドライバー向けの情報提供サービスで、情報提供の基盤としてセールスフォースの企業向けSNSである「Chatter」を使う。自動車自らがその状態を”つぶやく”ことで、人と人という関係だけでなく自動車も”ソーシャル”の一部となるサービスである。また、日本からのカンファレンス参加者のために、セールスフォース・ドットコムのブースでは、日本語によるデモも実施されていた(写真4)。

写真3●「TOYOTA friend」のロゴが入ったプリウス
写真3●「TOYOTA friend」のロゴが入ったプリウス
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写真4●セールスフォースのブースでは日本語によるデモも実施
写真4●セールスフォースのブースでは日本語によるデモも実施
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Salesforceの“不得意”を補う

 Cloud Expoにはキヤノンや富士通といった日本企業も出展しており、日本で展開しているSalesforceとの連携サービスを米国市場にも売り込む。

写真5●Cloud Expoに出展しているキヤノンのブース
写真5●Cloud Expoに出展しているキヤノンのブース
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 キヤノンは、同社が日本で7月に発表したクラウド型の帳票・印刷サービス「Canon Business Imaging Online 帳票・印刷サービス」を米国でも展開する。現地時間の8月31日に現地で報道発表する予定である。Salesforceが管理する情報をクラウド上でユーザー独自のレイアウトに編集し、ネットワーク経由でキヤノン製の複合機から印刷することができるサービスである。「Salesforceは印刷に弱いところがある」(米Canon Infomation & Imaging Solutionの担当者)といい、米国では商品の売り上げデータなどをまとめて印刷する「バッチ印刷機能が有効ではないか」と説明する(写真5)。

写真6●Cloud Expoに出展している富士通のブース
写真6●Cloud Expoに出展している富士通のブース
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 富士通は複数のソリューションを米国市場に向けて展開する。Salesforceのユーザーインタフェースをドラッグ&ドロップで作成できる「SkyVisualEditor」(SkyEditor、写真6)や、PFUの文書スキャナ「ScanSnap」シリーズを使って読み取った名刺データと、Salesforceが連携するシステムなどをデモ(関連記事)。例えばSkyEditorは「“かゆいところに手が届く”。Salesforceの標準機能だけでは手がかかるユーザーインタフェースの変更を、一般のユーザーにもできるようにする」(米FUJITSU AMERICAの担当者)と説明する。

 Dreamforce 2011は、米国時間8月31日にセールスフォースのマーク・ベニオフ会長 兼 CEO(最高経営責任者)の基調講演、9月1日には米グーグルのエリック・シュミット会長が講演する。講演の情報などもITproで引き続きレポートする。