写真1●米F5 Networksでプロダクトマネジメント兼プロダクトマーケティング担当バイスプレジデントを務めるErik Giesa氏
写真1●米F5 Networksでプロダクトマネジメント兼プロダクトマーケティング担当バイスプレジデントを務めるErik Giesa氏
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写真2●iAppsでアプリケーション要件を入力するヒアリングシート画面
写真2●iAppsでアプリケーション要件を入力するヒアリングシート画面
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 F5ネットワークスジャパンは2011年8月25日、基本ソフトをバージョンアップしたレイヤー7スイッチ(負荷分散装置)の新版「BIG-IP v11」を発表した。9月に出荷する。新版では、アプリケーション要件のヒアリング画面を作成してBIG-IPの設定を簡素化する機能「iApps」と、複数のBIG-IPをクラスタリング構成で運用する機能「ScaleN」を追加した。

 BIG-IPは、負荷分散装置である。Webシステムへのアクセスを仲介し、アクセス負荷を分散することで、Webシステム全体の処理性能と可用性を高める。F5ネットワークスではここ数年、「データセンターの構成を動的に変更できるようにするための基礎を成す」(同社)というビジョンを掲げ、BIG-IPの機能を拡張するとともに、BIG-IP向けの管理ソフトを拡充してきた。

 一方で、ネットワークの設定作業に時間がかかってしまうことがデータセンターの柔軟性を下げていると指摘するのは、米F5 Networksでプロダクトマネジメント兼プロダクトマーケティング担当バイスプレジデントを務めるErik Giesa氏(写真1)である。「仮想サーバーは瞬時にプロビジョニングできるが、ネットワークの設定には数日を要している。これを解決する仕組みが必要だった」(Giesa氏)。

 今回、ネットワーク設定にかかる時間を減らすために追加した新機能が、iAppsである。iAppsにより、利用するアプリケーションに合わせたBIG-IPの設定を、時間をかけずに施せる。具体的には、アプリケーションの種類に応じて、「何人で利用しますか」など、業務要件を入力するヒアリングシート画面を用意する(写真2)。要件を入力するだけで、要件項目にひも付けた細かいパラメータを自動的に設定できる。