米Appleは現地時間2011年8月24日、今年1月から病気療養に入っている同社最高経営責任者(CEO)のSteve Jobs氏が辞任したことを明らかにした。後任には最高執行責任者(COO)のTim Cook氏が任命された。

 Jobs氏は同日、取締役会に辞任を申し出て、後継にCook氏を強く推薦した。Jobs氏の公開書簡では、「私はつねに、CEOとしての職務を全うできない日が来たら、まず皆さん(取締役会とAppleコミュニティ)に知らせると言ってきた。残念ながらその日が来たようだ」と記述している。Jobs氏は今後、会長として同社にとどまる。

 Jobs氏は2004年に膵臓がんの手術のため約2カ月間休職し、2009年には肝臓移植手術を受けて半年間療養した。2011年1月に三度休職することを発表。病状については詳細を明かさず、復帰時期についても「できるだけ早く」と表現するにとどめていた(関連記事:AppleのJobs CEOが病気療養で休職、復帰時期は「できるだけ早く」)。

 Cook氏は、COOとして世界の販売および業務を統括し、すべての市場および国にわたるサプライチェーンやマーケティング管理で手腕を発揮してきた。また、Jobs氏の休職期間にCEOの日常業務を代行し、次期CEOの有力候補と目されていた。Cook氏はCEO就任と同時に取締役会にも参加する。

 米メディア(Wall Street Journal)によると、同日のAppleの株価は367.18ドルで終了したが、Jobs氏辞任の報道を受け、時間外取引で5.13%減の355.70ドルに下落した。

[発表資料(Appleのプレスリリース)]
[発表資料(Jobs氏の公開書簡)]