写真1●富士ゼロックスの中小向けクラウドベースのコラボレーションサービス「SkyDeskサービス」
写真1●富士ゼロックスの中小向けクラウドベースのコラボレーションサービス「SkyDeskサービス」
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写真2●富士ゼロックスの田中徹 新規事業準備室長
写真2●富士ゼロックスの田中徹 新規事業準備室長
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 富士ゼロックスは2011年8月23日、主にSMB(Small and Medium Business)市場をターゲットにしたクラウドベースのコラボレーションサービス「SkyDeskサービス」(写真1)を提供開始した。同サービスのWebサイトから登録することで無償で利用できる。

 SkyDeskサービスは、メールや連絡先の管理、スケジュール管理、タスク管理といった一般的なグループウエアが備える機能に加え、オフィス文書の共有やグループ間でのメッセージのやりとり(チャット)、顧客管理(CRM)など合計13の機能を備えた統合コラボレーションサービス。サービスの基盤として、米ゾーホーのパブリッククラウド技術を採用している。

 オフィス文書の共有機能については、単にファイルを共有できるというだけでなく、ワープロおよび表計算、プレゼンテーション文書を作成するためのアプリそのものをサービス上で用意。パソコンのオフィスアプリなどを使わずに、Webブラウザーだけで他のユーザーと共同でビジネス文書を作成したり編集したりできるようになっている。

 スマートフォンに標準で対応しているのも同サービスの売りの一つ。サービス開始時点では、iPhone向けの専用アプリを無償で配布している。Androidなど他のスマートフォンへの対応については「ユーザーから寄せられる要望などを見ながら今後対応を考える」(富士ゼロックスの田中徹 新規事業準備室長、写真2)という。

 iPhone向け専用アプリの目玉となっているのが「名刺データの取り込み機能」である。端末のカメラを使って撮影した名刺の写真をクラウド経由で取り込み、OCR(Optical Character Reader)を使ってテキストデータを自動付与し、同サービス上で管理できるようにするというもの。管理できる名刺の枚数は最大50枚となっている。

 自分が所属する会社以外のユーザーと任意のグループを作成し、情報共有や共同作業が可能になっている点もユニーク。登録可能なユーザーを組織内に限定した「組織グループ」と、組織をまたがって設定可能な「個人グループ」の2種類のグループを作成し、それぞれ共有する情報の範囲などを指定できる。

 なお、利用に当たっては、1組織当たり登録可能なユーザー数が「3人まで」となっている点に注意する必要がある。組織内に限定した情報をやりとりできる範囲が狭いため、中小企業であっても同サービスを全社員が参加する社内向けグループウエアと同じものとして業務に使うのは現状では難しい。

 実際に、富士ゼロックスでも当初の利用形態として、「組織をまたがった小集団同士が“ゆるやかにコミュニケーションする”ための支援サービスとしての利用」を想定しているという。ただし、今後そうしたユーザー数の拡張機能などを有償のオプションサービスとして提供することも「ユーザーの声が多ければ検討する」(同社)としている。