LanScope Cat6のSNMP監視画面
LanScope Cat6のSNMP監視画面
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 エムオーテックス(MOTEX)は2011年8月24日、「LanScope Cat6」の新版「Ver 6.7.0.0」を発表した。LanScope Cat6はエンドユーザーのパソコン操作の監視などセキュリティ機能に注力したクライアント管理ソフト。新版では、Linux/Mac管理用にSNMPマネージャ機能を追加するなど21件の機能強化を行った。2011年10月3日に販売開始する。価格は、10ユーザー39万4800円(税込)から。

 LanScope Cat6は、エージェント型のクライアント管理ソフトである。監視/管理対象のクライアントPCに専用のエージェントソフトをインストールして情報を収集し、マネージャソフトから一元管理する。主な機能として、クライアントPCのインベントリ情報(インストールアプリケーションやハードウエア仕様など)の収集、ソフトウエア配布、PC操作ログの収集管理、リモート操作によるヘルプデスクなどの機能を提供する。

 特徴は、エンドユーザーのパソコン操作を監視して不正行為を抑制するなど、セキュリティに注力している点である。エージェントがWindows操作や入力文字などをキャプチャして操作ログを生成し、マネージャにリアルタイムで報告する。マネージャ側では、データベースにログを格納し、各種の切り口でデータを分析/閲覧できるようにしている。操作ログにより、「あるファイルが誰から誰に、どんな手段で伝ぱんしたのか」などが追跡できる。

 新版では、新機能の追加や既存機能の強化など、21件の機能強化を行った。例えば、SNMPマネージャ機能、リモートでの電源管理、Citrix XenDesktop環境の正式サポート、などである。主な強化点は、以下の通り。

SNMP管理/リモート電源管理などを新規に追加

 新規に追加した機能の一つが、SNMPマネージャ機能である。SNMPを介して、Mac OS XやLinux、プリンタ、ネットワーク機器などの情報を取得する。背景には、専用エージェントの稼働OSがWindowsに限られている状況がある。こうした中、特にMac OS XやLinuxを遠隔管理することを目的に、SNMPマネージャ機能を追加した。

 SNMP管理の前提として、監視対象機側でSNMPエージェントが稼働している必要がある。MOTEXではSNMPエージェントを用意していないが、LinuxやMac OS Xの場合、特にサーバーエディションの場合は標準でSNMPエージェントが含まれていることが多い。必要に応じてUCD-SNMPなどのオープンソースをインストールして利用する。これにより、Mac OS XやLinuxにインストールされているアプリケーションのリストなどが分かる。

 新規に追加した機能の二つ目は、電源管理機能である。リモートでPCの電源ON/OFFや省電力設定が行える。これにより、例えば、電源をONにしてセキュリティパッチを適用し、パッチ適用後に電源をOFFにする、といった運用が可能になる。制御可能な電源状態は5段階で、それぞれ電源ON、電源OFF、再起動、スリープ/スタンバイ、休止状態。なお、電源のON/OFFだけであれば、これまでもIntel vPro(AMT)環境において可能だった。今回、Wake-on-LANによる電源ON/OFFが可能になった。

 新規に追加した機能の三つ目は、NRIセキュアテクノロジーズの文書管理ソフト「SecureCube / Labeling」との連携機能である。SecureCube / Labelingは、Word文書やPDFなどの個々の文書ファイルに「社外秘」などのラベル属性を付与して管理するソフトである。LanScope Cat6新版では、このファイル属性を読み取って、ファイル操作閲覧画面に反映できるようにした。これにより、あるラベルが付いたファイルが誰から誰にどうやって伝播したのかが追跡できるようになった。

Webアクセス監視/フィルタを強化、XenDesktopを正式サポート

 強化した機能の一つが、Webアクセス監視ログの収集機能である。新たに、インターネット掲示板への書き込み行為やファイルのアップロード/ダウンロード行為のログを取得して専用画面で閲覧できるようにした。

 また、Webフィルタリング機能も強化した。これまでのブラックリスト(アクセスを禁止するURLリスト)に加えて、新たにホワイトリスト(アクセスを許可するURLリスト)を運用できるようにした。ブラックリストとホワイトリストを組み合わせることも可能である。例えば、「株」を含むサイトは禁止するが、例外的に「株式会社」を含むサイトは許可するといった運用ができる。

 新版では、稼働を保証する環境も拡充した。新たにサポートする環境の一つが、デスクトップ仮想化ソフト「Citrix XenDesktop」である。具体的なサポート内容は、実機のクライアントPCを使う場合とXenDesktopの仮想デスクトップを使う場合のLanScope Cat6の機能面での違いなど、デスクトップ仮想化環境で利用する際の注意事項をまとめた文書を用意した。これまではVMware View環境向けの文書を提供していたが、これに加えてCitrix XenDesktop用の文書を追加したかたち。

 なお、LanScope Cat6の稼働環境は、以下の通り。エージェントの稼働OSは、Windows 98、Windows NT 4.0、Windows 2000、Windows XP Professional、Windows Vista/7、Windows Server 2003/2008。エージェントと通信してログを収集/管理するマネージャと、ログ閲覧用Webアプリケーションの稼働OSは、Windows 2000 Server、Windows 2003/2008。ログ格納用データベースは、SQL Server。