コントロールパネルから仮想サーバーのコマンドライン端末画面を開けるようになった
コントロールパネルから仮想サーバーのコマンドライン端末画面を開けるようになった
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 ニフティは2011年8月22日の18時から順次、IaaSサービス「ニフティクラウド」を強化する。Oracle Databaseをライセンス違反なく利用できるようになるほか、ソフト会社から仮想サーバーイメージの形でアプリケーションを購入できるようになるなど、新たに7個の機能を提供する。

 追加される7個の新機能を、以下に順に紹介する。

 (1)新たに、Oracle Databaseをライセンス違反なく利用できるようにする仕掛けを用意した。これまでは、Oracle Databaseをニフティクラウドの仮想サーバーにインストールして使う場合、サーバー構成が動的に変わってソフトウエアとサーバー機が固定的にひも付かなくなることがあり、Oracle Databaseのライセンス契約に違反する可能性があったが、これを改善した。

 同機能の提供開始時期は、2011年8月24日14時。有償のサービスであり、初期費用として導入対象サーバーあたり3万1500円(税込)が必要になる。

 残りの6機能は、いずれも2011年8月22日18時に提供開始する。

 (2)異なるユーザー同士で仮想マシンイメージをコピー/インポートする機能を追加する。これにより、ソフトウエアベンダーが開発したアプリケーションをサーバーイメージの形で購入して利用できるようになる。なお、以前から同一ユーザーであれば、カスタムイメージの作成/保存/再利用が可能だった。今回は、これを異なるユーザー間でも可能にした。

 ユーザー間でイメージをコピー/再利用する追加機能については料金が発生しないが、このための前提となるカスタムイメージの作成/保存機能は、以前から有償になっている。具体的には、イメージ作成時に1件あたり525円(税込)かかるほか、イメージ保存料金がLinuxで1件あたり月額3150円(税込)、Windowsで1件あたり月額4200円(税込)かかる。

対応OS/言語を拡張、Rubyで運用管理アプリを開発可能に

 (3)新たに、ニフティクラウドの運用管理アプリケーションを開発するためのRuby言語用ライブラリ「ニフティクラウドSDK for Ruby」を用意した。同ライブラリを用いることで、Rubyで開発したユーザーアプリケーションからニフティクラウドを操作できるようになる。これまで、同様のライブラリは、Java言語用のものしかなかった。今回、Javaに加えてRuby用のライブラリを追加した。

 なお、ニフティクラウドを操作するAPIには、今回のアプリケーション開発用ライブラリのほかに、Webサービス(SOAPおよびREST)がある。ほかのIaaSサービス同様に、REST APIなどを介してクラウド操作が可能である。さらに、コマンドラインツールとして、ニフティクラウドをRESTで操作するJavaプログラム(jarファイル)群と、同Javaプログラムを呼び出すシェルスクリプト群およびWindowsバッチファイル群も用意している。

 (4)仮想サーバー上で利用するOSイメージのラインアップも増やした。新たに、Cent OS 5.6プレーンインストール(64bit)と、Cent OS 5.6サーバーパッケージ(64bit)を選べるようにした。なお、以前から利用可能なOSは、Cent OS 5.3プレーンインストール(32bit/64bit)、Cent OS 5.3サーバーパッケージ(32bit/64bit)、Red Hat Enterprise Linux 5.3(32bit/64bit)、Windows Server 2008 R2(64bit)、である。

コントロールパネルを強化、コンソールを直接開く

 コントロールパネルのメニューや通知機能も強化した。

 (5)コントロールパネルの管理メニューから直接、仮想サーバーのコマンドライン端末画面を開けるようにした(写真1)。仮想サーバーに問題が発生した場合に、すぐにコンソール画面にアクセスできるようにした。

 (6)障害をコントロールパネルに通知するようにした。具体的には、物理サーバー障害を復旧するサーバー再起動(HA)が発生した時と、ディスク障害が発生した時に通知する。

 (7)コントロールパネルにログインする際に、二要素認証を利用できるようにした。具体的には、通常のID/パスワードに加えて、パターン(数字の位置)を認証手段として使えるようにした。同機能は有償で、利用料金は月額3990円(税込)。